「初めての海外はキツかった・・・(ドイツ壮絶体験)(その3)」
たび
またまた続きです。
猛吹雪によって、ベルリンへの行く手を阻まれた私たち。
でも、いつまでも呆然としていられない。
とりあえず、私より海外旅行経験が豊富で英語力も上ということで、
Aは、飛行機の今後の運航状況の確認及びベルリンのホテルへの連絡をしに走り回っていました。
私はといえば、とりあえず、飛行機のキャンセル及び便変更のカウンターがとにかく長蛇の列で1〜2時間は待ちそうだったので、その順番取り。
でも、その時、不思議と不安を感じなかったんですよ。
妙に腹が据わってしまったというか。
自分の力ではどうにもならない状況だし。
友人も一緒だ。
ここは空港だし、人もいっぱいいるし、日本人らしき姿もちらちら見える。
金もある。パスポートもある。
死ぬことはない。
で、友人が戻ってきたので、状況を教えてもらいました。
空港サイドもかなりパニックしているらしく
現在の便は全部欠航しているが、
最終便の20:30発はまだ飛ぶ可能性がある。
それについてはなんともいえない。ただ、今持っているチケットでそれに乗ることはできる。
(どうやら、Aが必死でカタコト英語を操っていたら、側にいたアメリカンの男性が
親切にいろいろ間に入ってくれたらしい)
ホテルの方は、事情をわかってくれたらしく「OK」とのこと。
A、ありがとう。
とりあえず、キャンセル手続きの列に並びつつ(20:30の便が欠航になったら、ここで次の日の便に変更かけなくてはいけないらしいので)Aが時々状況把握に国内便出発カウンターに行くことになりました。
で、ふと気が付くと、私たちの後ろに並んでいたのも日本人の若い女の子たち。
どうやら、これから日本に帰るところだったらしく、「振り替えるにしても、明日以降のフライトスケジュールがわからないね」と言っています。
ところが、私はたまたま成田空港で何気なく成田発着飛行機のフライトスケジュール表を貰っていたのです。
「あの、私持ってますけど、見ます?」
「え、いいんですか?」
それがきっかけで、しゃべる、しゃべる。
女5人。
こういう海外でピンチの時って、
日本語をべらべらしゃべるだけで、かなりストレスが発散されることが身に染みました。
彼女達は3人組と思ったら違っていて、そのうち2人はドイツに住んでいる友達を訪ねた帰り、あとの一人の彼女は、フランクフルト経由でロンドンに飛ぼうとしていたところで、他の2人とは初対面。
でも、窮地を共にわかちあうことによりかなり気持ちが楽になりました。
そのうちのひとりの子は、マクドナルドにみんなの分のジュースまで買いにいってくれたし。
結局、全然動かない列に並び続けて何時間経っただろう、7時〜8時くらいだっただろうか、状況確認にいったAが「飛行機飛ぶ可能性出てきたから、出発ロビーに来いって」
とのことだったので、彼女達とはそこでお別れ。
(ちなみに、ドイツから日本に帰国しようとしたら、なんとロンドンに行った彼女にばったり会って、その日はみんなホテルに泊まり<タダで>、翌日それぞれ出発できたとのこと。よかったよかった

)
で、出発ロビーに移動していた私の目に、日本人ツアー団体が飛び込んできました。
どうやら、イタリアかどこかに行くつもりだったらしいのですが、ツアコンさんが声を振り絞って叫んでいる。
「皆さん!私ももう長い間、添乗をしていますが、こんなことは初めてです!!
みんなで協力しあって、乗り切りましょう!!!」
これって、ツアコンとして、どうなのかな・・・・・。(状況は同情しますが)
まあ、一体感は増すかもね。
で、出発ロビーで飛行機を待っていたのですが、なかなか案内もなく、搭乗予定時刻はどんどん過ぎていきます。
この時、ロビーで待っている写真が残っているのですが、さすがの私もげんなりしています。
やっと、機内に入れたのは、多分、10時過ぎてたと思います。
サンドイッチと飲み物が振舞われましたが、
「もう、今日は飛ばないだろうから、このまま機内で夜明かしなんだろうな〜」
と思いつつ、気が付けばうたた寝をしていた私。
機長がなにやらアナウンスしてますが、そんなヒアリング力もない。
機内の電気が消えたのに、はっと眼が覚めたのはもう夜中の1時か2時でした。
どうしたの?
そして、機長のアナウンスが一言、二言。
そして、
機体が離陸を始めたのです・・・・・。 ・・・・。
止めてくれえ〜
なんで、夜中に飛ぶんだよ。
ふと隣のAを見ると、何か言っている。
「なんまいだぶ、なんまいだぶ」
「何、お経唱えてるのよ!」
「いや、こういう時はやっぱり仏教、仏教」
A、よくわからん・・・・。
フランクフルト空港で腹をくくったはずの私ですが、
さすがにその時は、観念しました。
冷静になって考えると、飛べる気候だから、GOしたんであって、
ルフトハンザもそんなに無茶なことはしないでしょうに・・・・
(だよね、だよね)
私たちの飛行機はこうして真夜中のフライトをはじめたのでありました。
で、まだ続きます。
(最後に、オチがあるんで)

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