暑さ寒さも彼岸までと云うが、夜は涼しくて気持ち良い。明け方は寒くて仕方がない。で、ちょっとホットにコテコテデラックス的な路線で行こうと安易に決めた。コテコテと云えばやはりボステナーだろう、テキサステナーだろう。
開店準備中に初めてのお客さんから来店を告げる電話が入った。なんて律儀な方だろう。当ジャズ喫茶は予約不要なので心配ご無用。30分後に件のお客さまおふたり。最初は窓側のテーブル席だったがカウンターの方が音が良いとのことで移られた。その1時間後にご近所さんがぱらぱらといい感じでご来店。稀にみる繁盛にて祝杯ムードで夜は更け行く。
本日の1枚目。ボステナー、ジーン・アモンズ。演奏していた時間より刑務所(あるいは更生施設)に入っていた期間の方が長いという伝説のボス。SWEET GEORGIA BROWN が良い。こちら系のテナー吹きは何故かこの曲が好きなのだ。オルガンは EDDIE BUSTER というあまり聞かない方。61/8録音
で、テキサステナーと云えばこのひとアーネット・コブ(カッブと言わないとアメリカ人には通じない)。ライオネル・ハンプトン楽団での FLYING HOME で有名。確かイリノイ・ジャケーの後釜で入って、さらにコブの後釜はウィリス・ジャクソン。このアルバムは1980に日本のテイチクレコードとアメリカの会社が共同プロデュースしたとのこと。さすがに音が良い。ピアノにデレク・スミス。写真はアベ・カツジ。80/1録音
コテコテ正統派が続いたのでちょっと路線変更してこちら。私が学生だったある時期、日本でちょっとしたアーチー・シェップのブームがあり、来日もしていたように思う。聴きに行くほどではなかったがレコードは買った。シェップと云えばフリーキーなテナーでいつもアフリカっぽいなりをしていたが、この時期はスーツできめている。このアルバムでノルウェー生まれのカーリン・クロッグという歌手を知った。この人はデクスター・ゴードンともやっているが不思議な魅力を持つ歌手だ。76/6録音
さて、コテコテに戻ってこちら。コレクションの中でも最も強烈なジャケ写。とてもミュージシャンのポートレートには見えない。ロールスロイスと銀の銃とかシャフト旋風など黒人主役のアクション映画が流行ったが、そのポスターのようではないか。演奏の方は、STROLLIN' なんて意外な曲もやっているが、この曲だけアモンズは抜けている。あまり音が良くないのが残念だ。そのうちマクダフ特集も組みたい。62/1録音
ちょっとテナー続きだったのでピアノトリオを。当店ではこのアルバムはヘビーローテーションだったが最近はガーランドばかりなので久々。やはり良いですな。レイ・ブラウンも素晴らしい。59/4録音
ギター女子を志すお客さんが最近ジャズボーカルに興味ありなのでこちらを。しかしこのレコーディングの1年半後にブラウニーは死んでしまうのだなあ。ヘレン・メリルには申し訳ないがそんなことを思わせるくらいにブラウンの演奏が素晴らしい。54/12録音
本日最後の1枚はこちら。若いころはMJQの良さはあまり分からなかったが、この歳になって少し分かってきたような。遅い!閉店時間を過ぎたがもう少し聞きたかったので4面を。SKATING IN CENTRAL PARK いいなあ。74/11

来週もやります。

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