今年もくじけずジャズ喫茶を継続します。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、年の初めの特集はローランド・カークだ。大学生のとき聴いた「Kirkatron」(75-76録音)以来のファンだ。75年に脳卒中で倒れ一時期右半身不随になるが奇跡の復活を果たすも77年に亡くなった。カークは何本も楽器を咥えて吹くので有名。ビジュアル的にも強烈なのでその印象が強いのだが、僕はフルートやテナー1本だけの時の演奏が好きだ。ま、人によって聴き方はいろいろだ。で、肝心のお客さんはというと、クリスマス明け頃から前日まで別荘に籠っていた常連さんが来てくれたので安泰な夜となったのだ。今回はマーキュリー時代のアルバムを1枚もかけなかったので第2弾は必至。マーキュリーについてはパーフェクトコレクションが控えているのだ。次回は2週連続で休みとなり、1/27に営業の予定。来てください。
本日の1枚目。強烈なイラストの2枚組のアルバムだが、D面に曲は入っていない。邦題は「過去・現在・未来そして夢」というらしい。DREAMというタイトルの曲がいくつも入っているが馬の足音だったり犬の鳴き声だったりで初めて聴いた時は笑ってしまった。参加ミュージシャンはとても多く、リチャード・ティー、コーネル・デュプリー、スティーブ・ガッドなどスタッフのメンバーも参加している。今回はA面のみかけた。75年録音
たぶん、カークの初リーダーアルバム。ジャケットもカークを象徴するかのように強烈だ。最初はTriple Threatというタイトルだったらしい。THE NEANESS OF YOU や EASY LIVING といったジャズスタンダードも演奏しているが、全体的にはR&B寄りなスタイルだ。しかし、ブルースのソロなどは正統派バッパーという感じで端正なソロを吹いている。また、この当時にオーバーダビングという技術があったのか、後々加えられたのかは解らないが、2曲は完全にオーバーダビングされている。56年録音
何故、林の中での撮影なのか解らないが、たぶん録音スタジオがこんな場所にあったのだろう。何も楽器を持たずに所在無げに佇んでいるのがトミフラと思われる。ここでも2本咥えたりして吠えまくっているのだが、ソプラノともアルトとも判断の付きかねる音色のサックスでソロを吹いているが、あれが噂のマンゼロ(自作の改造楽器)か?写真でもご覧のとおり、シルバーのサックスの先に真鍮色したベルを黒いビニールテープで取り付けてあるやつをぶら下げている。で、リーダーのロイ・ヘインズは、やはり良い。この時代では一番良いドラマーだったと思うのだ。62年録音
アトランティックへの初吹き込み。スタジオライブらしい。ピアノは曲によってジャッキー・バイアードとロニー・リストン・スミスが弾き分けている。ベースはメジャー・ホリー。実は恥ずかしながら長いことメジャー・ホリーを知らずにいて、歌うベースは全てスラム・スチュアートだと思っていたのだ。65年録音
さて、このアルバムは店でも良くかけているので耳にしている方も多いだろう。全編フルートでの演奏。ピアノはホレス・パーラン。RUINED CASTLES というタイトルで荒城の月をオルゴールに合わせて吹いている。が、ライナーでは曲をカーク作としている。これぞ歪曲。
本日最後の1枚。1曲だけピアノが入っているが、それ以外は二人のパーカッションとカークの三つ巴のアルバム。一説にはアトランティックに残したアルバムの中で最悪との評もあるらしいが、聴けば聴くほど凄いという人もいるようで、やはり聴き方もいろいろだ。
ということでかけきれなかったレコードもあるが、マーキュリー録音での銘版がごっそりと残っているので特集第2弾をお楽しみに。


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