映画『最後の決闘裁判』  映画関係

[映画紹介]

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14世紀のフランス。
交渉事で遠方に出掛け、帰宅した
ノルマンディーの騎士ジャン・ド・カルージュは、
妻のマルグレットから、
夫の元友人で従騎士のジャック・ル・グリに
凌辱されたと告白する。
普通なら穏便に済ませる件だが、
カルージュは、事件を公にし、裁判に持ち込む。
しかし、ル・グリは罪を認めず、
目撃者もいないことから、
王の裁定で、決闘裁判で決着をつけることになる。

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決闘裁判とは、
証人や証拠が不足している告訴事件を解決するために、
原告と被告の両当事者が決闘を行うゲルマン法の一つの方式。
その背景には、
「神は正しい者に味方する」「決闘の結果は神の審判」
というキリスト教の信仰がある。
そんなバカな、というのが現代人の感覚だが、
なにしろ、宗教が世の中を支配していた
中世ヨーロッパのことである。
既に勅令によって禁止されていたはずだが、
この裁判では強行され、
これが史上最後の決闘裁判となった。

映画は3部構成で、
第1部はカルージュの立場から、
第2部はル・グリの立場から、
第3部はマルグレットの立場から描かれる。
主張が食い違う「羅生門」(1950)的展開になるのかと思ったら、
強姦の事実はすんなり描写されるから、
ミステリー的要素はなくなる。
ただ、同一の場面を扱いながら、
登場人物の心理によって、
微妙に描写が異なることがある。

第1部と第2部では、
かつては戦場で一緒に戦ったこともあり、
命を助けたこともある親友の二人が、
マルグレットの持参金の土地の売買や
カルージュの世襲的地位をル・グリに奪われて、
二人が憎しみ合う関係になったことが描かれる。
この確執があったからこそ、
カルージュは、通常は隠匿する
妻の不祥事を公にしたのだと分かる。
また、夫婦関係も微妙で、
妻は「跡取り製造機」で、
「種付け」同様という描写もある。

興味深いのは、第3部のマルグレットの
訴訟後の立場で、
今のMeToo運動の先駆けのような展開。
普通なら泣き寝入りする強姦事件を公にしたことで、
マルグレットは数知れない恥辱を受ける。
友人の裏切りと密告、
裁判での不愉快極まりない質問、
興味本意の野次馬的嘲笑。
しかも、決闘で夫が負けた場合、
マルグレットは偽証の罪で、
裸に剥かれた上、火あぶりになると通告される。

そして、決闘の決着は・・・
それは観てのお楽しみ。

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歴史ものは、装置や衣装で金がかかるが、
中世の自然景観、建物、衣装と
一点も欠けることなく再現した
リドリー・スコットの演出力に脱帽する。
2時間33分は長いが、
退屈せずに観ることが出来た。

カルージュにマット・デイモン

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ル・グリにアダム・ドライバー

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マルグレットにジョディ・カマーという豪華な配役。

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マット・デイモンの盟友ベン・アフレック
利己的な領主の役で登場する。
ベンとマットは脚本にも参加しており、
二人でアカデミー賞脚本賞を取った
「グッド・ヒィル・ハンティング/旅立ち」(1977)の
再現をめざすか。

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原作はエリック・ジェイガーのノンフィクション
「決闘裁判 世界を変えた法廷スキャンダル」。
つまり、実話に基づく。

日米同時公開。
                        
5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/kU5S-izh-ng

拡大上映中。

タグ: 映画



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