映画『黒水仙』  映画関係

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1947年のイギリス映画。
インド・ヒマラヤ山麓の女子修道院を舞台とした
ルーマー・ゴッデンの小説の映画化。
デボラ・カーが主演した。

ヒマラヤ山麓に近い高地にある寂しい村。
標高2700m。
崖の上に元ハーレムだった宮殿があり、
領主はこの宮殿を利用して尼僧院を開き、
英国人の尼たちを招いて現地の子どもを教育してもらおうと考えた。
修道会は尼僧クローダー(デボラ・カー)に大役を委ね、
4人の尼僧を選んで現地に赴く。

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現地の英国人ディーンは頭から彼女たちの仕事を嘲笑し、
「(前の)修道士は5カ月で逃げた。
女となったら、もっと早いだろう。
雨期まで持つかな」
と予言する。

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僧院には診療所と学校を併設し、
一応は順調に進んだが、
実は患者も子供たちも、
領主から金が支払われていたことが判明する。
しかも、環境のせいで尼僧たちの心が
信仰から次第に離れていくように思われた。
事実、一人の尼僧は仕事に耐えられないと転任を申し出た。

若い尼僧のルースはディーンに恋心を抱き、
クローダーを恋仇として憎むようになる。
ある夜、僧院を抜け出したルースは村のディーンを訪れ、
心の思いをうちあけたが、ディーンは冷たく彼女を追い返した。
ルースはディーンが恋を受けいれないのは
クローダーのせいと邪推し、
クローダーを崖から突き落とそうとする。
しかし、足をすべらせたルースは谷間へ落ちてしまう。

悲劇の朝から数日が過ぎ、
尼僧たちはカルカッタへ出発した。

異国に赴任した五人の伝道尼僧の葛藤を、
信仰と愛、そして肉欲という永遠のテーマを据えて描く。
だが、話に深みがなく、中途半端
尼僧たちの現地に到着したシーンがないので、
異文化に遭遇した尼僧たちの戸惑い、不安が分からない。
現地の文化と信仰の葛藤も描かれず、
若き土地の領主と修道院で育った奔放な娘のロマンスも、
ことごとく半端。
アジア人に対する軽蔑も見られる。

それらを置いて、
J・カーディフの美しいテクニカラー撮影
デボラ・カーの美しさが見どころの作品。
実際、デボラ・カーの美しさは息を飲むほど。

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髪を隠し、僧服から顔だけを露出した姿で
これほどきれいなことに呆然とする。
ただ、ルースを演ずる女優と似ているので、
キャスティングの時、何とかならなかったのか。

まだ新人の頃のジーン・シモンズ
(ロックの「キッス」のメンバーとは別人。
彼はGene、彼女はJean)が出演。
インド人の孤児を演ずる。

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この翌年、「ハムレット」のオフィーリアを演じて
ヴェネチア映画祭で女優賞を受賞。
「聖衣」(1953)、「野郎ともと女たち」(1955)
「エルマー・ガントリー」(1960)「スパルタカス」(1960)で
活躍するのは、もっと後。

時代的にインドへのロケは難しく、
英国のロンドン郊外のスタジオに巨大セットを組んで撮影。
崖から谷底を見せる絵との合成など、
今見ても感心する。

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テクニカラー作品として撮影。
「赤い靴」「天国への階段」と同じく、
マイケル・パウエルエメリック・プレスバーガーが脚本、監督、製作。
撮影も「赤い靴」「天国への階段」と同じくジャック・カーディフ
「天国への階段」のアルフレッド・ジュネが装置を担当。
アカデミー賞の撮影賞(カラー)と美術賞(カラー)を受賞
デボラ・カーはニューヨーク映画批評家協会賞主演女優賞を受賞した。

題名の「黒水仙」は、領主の若い王子のつけていた香水から由来。

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/GXn9_Nnla5Y

実は、私はこの映画を小学生の時、
渋谷の全線座で観ている。

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全線座は、渋谷駅近くの明治通りにあった映画館。
(今のビックカメラのあたり)
二番館で2本立て興行。
併映はローレンス・ハーヴェイ主演の
「ロミオとジュリエット」だったと記憶している。
洋画、邦画どちらも上映したようで、
黒澤明の「生きる」も、この劇場で見た。
「黒水仙」は子供にはまだ難しい題材だが、
観たのは、多分姉たちの影響だったと思われる。
今回再見したところ、
最後の方のルースがクローダーを殺そうとして、
崖の縁の鐘のあたりで争う場面しか覚えていなかった。

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やはり小学生には少し早かったようだ。

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