小説『紙鑑定士の事件ファイル』  書籍関係

ウチの娘は、昨日から大阪へ。
大阪?
あのコロナ新感染者が増大し続ける、大阪の真っ只中へ?

というのも、フィギュアスケート国別対抗戦を観るため。
特に、羽生結弦選手を応援するため。

ウチの娘はコロナに敏感で、
マスクだの手洗いだの除菌だのをうるさく言います。
であれば、大阪に行くなど、もっての他、
のはずが、
羽生選手の演技を観たい気持ちの方が勝ったらしい。

やれやれ。
3泊で日曜日に帰りますが、
帰宅次第、即座に風呂に入ると言っています。
やれやれ。


[書籍紹介]

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渡部圭は、「紙鑑定士」を名乗って、
どんな紙でも見分けられると豪語する。
実は紙仕入れ業が本業で、
出版社の紙調達を下請けする仕事をしている。
独立したが、経営は火の車だ。
その事務所を一人の女性が訪ねて来る。
彼氏の浮気調査だという。
「紙鑑定」を「神探偵」と勘違いしたのだ。
仕事もヒマだったので、引き受けたが、
手掛かりとなるのは、一枚の写真に写ったプラモデル。
戦車が写ったジオラマだ。

ホビー会社の編集者から
一人のプロモデラー(プロのプラモデル制作者)を紹介される。
土生井昇(はぶい・のぼる)という人物に写真を見せると、
戦車の型式と国籍をたちまちのうちに指摘してしまう。
その結果、依頼者の彼氏の素行を解明すると、
その女性を介して次の依頼が舞い込む。
曲野晴子(まがの・はるこ)という美人の依頼は、
失踪した妹を探してほしいというものだった。
持参したのは、ある一軒家を描いたジオラマ
(正しくはミニチュアハウス)。
渡部は再び土生井を訪れて見せると、
その家の内部まで作られているのが判明し、
そこに置かれた兵隊像が特別な行動をしていた。
ミニチュアハウスの作者を探っていくうち、
渡部は殺人事件に遭遇する・・・

というわけで、渡部の紙に対する専門知識と、
土生井の模型に対する専門知識
相互作用となって、事件の解決に向かう・・・

登場人物の専門知識が事件を解決する、という形は、
ミステリーにしばしば現れる状況だが、
その専門知識の描き方が話の正否を決定する。
その点で、なかなか面白い展開を見せる。
途中から土生井が病床に着き、
いわゆる「車椅子探偵」となって、
情報を整理し、次の行動を指示する、
という展開も面白い。

第2、第3のプラモデルが現れて、
事件が複雑化していく過程も興味津々。

あまりうまく出来ているので、
これ、江戸川乱歩賞に応募したらよかったのに、
と思ったが、
実は、これ、昨年の「このミステリーがすごい!」大賞の受賞作だった。
応募時の題名は「模型の家、紙の城」だったが、
改題して出版。
シリーズ化を目論んでいるのかもしれない。

本文は約三十ページごとに異なる紙が用いられており、
それぞれの風合いを楽しめる、という凝った造本。




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