映画『シラ・ド・ベルジュラックに会いたい!』  映画関係

[映画紹介]

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エドモン・ロスタンによる戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」の誕生秘話
と言っても、史実ではなく、創作コメディ。

1897年のパリ。
劇作家のエドモン・ロスタンは、
ここ数年失敗作続きで窮地に陥っていた。
友人の名女優サラ・ベルナールの紹介で、
名優コンスタン・コクランの新作を引き受けることになるが、

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実在の人物のシラノを主人公にというアイデアは提供したものの、
全く脚本は白紙状態。
初日は3週間後という切迫した状態の中、
アイデアが浮かばなくて、四苦八苦していた。

そんな時、友人の俳優のレオが衣装係のジャンヌに恋をして、
彼女を口説くラブレターの文句にアドバイスを求められる。
レオに代わって出した恋文の返事が良かったために、
エドモンはレオに成りすましてジャンヌと文通を始めると、
エドモンに閃きが訪れ、
大きな鼻の醜男シラノが
従姉妹のロクサーヌへの秘めたる愛を告白できなかったところに、
ロクサーヌに恋する美男のクリスチャンの
愛の告白を代弁し、恋文を代理で綴る、
という着想を得る。

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あとは上演までの間に次々と問題が発生し、
それを切り抜けていく、という話になる。
たとえば、スポンサーが女友達を出演させなければ、
資金を出さないとごねたり、
大根役者の息子を良い役で出演させろとか、
事務所が抱き合わせで新人を出演させろとかの横紙破り。
これは、今に通じる話。
主演女優がセリフが多すぎると文句を言ったり、
決闘シーンが得意な俳優が決闘シーンを入れろと言ってきたり、
その上、コクラン自身が借金で出演不許可にされたりしそうになる。
ジャンヌとラブレターを交換していたため、
エドモン自身が妻に浮気を疑われたする。

そうしたあれやこれやで、かなり面白い。
作者の実体験
創作に反映する様を描いた経緯が興味深い。

舞台の成果は素晴らしく、
ラストシーンで裏方が感動のあまり、
幕を降ろすのを忘れる始末。

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観客も熱狂し、
「シラノ」の初演は大好評で、
12月28日の初日から500日間、
400回のロングランで、
以降今日に至るまで、
世界各国で繰り返し上演されている。

という名作誕生秘話を扱った
2016年に上演され好評だった舞台劇を
脚本を書いたアレクシス・ミシャリク自ら監督を務めて映画化。

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シラノ・ド・ベルジュラックは実在の剣術家、作家、哲学者、理学者だが、
肖像画のように、鼻が少し大きいものの、
異様に大きいわけではない。

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きっとシラノはあの世で苦笑しているだろう。

戯曲は5幕構成で、
そのことを知っていた方が
多少なりとも鑑賞の助けにはなるかもしれない。

恋する人への恋情を
他の人物に託して告白する、
という切ないシチュエーション
男心の琴線に触れるものがあるらしく、
1世紀たった今も上演され続けている。
特に、終幕で瀕死のシラノが
ロクサーヌがクリスチャンから貰った恋文を
夕闇の中にもかかわらず暗唱することで、
ロクサーヌが真相に気づくあたりは、
演劇の醍醐味
(観客が知っている内容を登場人物が何時気づくか)
と言える構造で、
観客の涙を誘う。
本作でも、
この場面は舞台ではなく、
実際の修道院にするなど、
演出的にも工夫している。

映画も何度も繰り返し映画化されている。
最も有名なのは、1950年のホセ・フェラー主演作で、
アカデミー賞の主演男優賞を受賞。
1990年ジェラール・ドパルデュー主演作は、
アカデミー賞の主演男優賞候補になった。
ドパルデューなら、付け鼻メイクは要らないのではないか。

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1987年には、舞台を現代に置き換えた
スティーヴ・マーティン主演の「愛しのロクサーヌ」がある。

日本では、1922年に翻訳され、
1931年、帝国劇場で初演。
その後、繰り返し上演されている。
翻案ものでは、
1926年(大正15年)、
新国劇が「白野弁十郎」として、幕末の会津藩の話に変え、
1929年、小石栄一監督、月形龍之介・若水絹子・風間宗六で映画化もされている。
また、1959年の「或る剣豪の生涯」は、戦国時代に置き換えられ、
稲垣浩監督、三船敏郎・司葉子・宝田明が出演で映画化されている。

1973年にはブロードウェイで「シラノ」としてミュージカル化。
1993年にはオランダで「シラノ・ザ・ミュージカル」としてミュージカル化、
日本でも2001年に上演。

エンドクレジットで、
歴代名優が演じたシラノの映像が披露されるので、必見。

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/2NAuP1_Qcwc

ヒューマントラストシネマ有楽町他で上映中。

タグ: 映画



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