ドラマ『日本沈没2020』  映画関係

[映画紹介]

クリックすると元のサイズで表示します

Netflix で新作ドラマ「日本沈没2020」
7月9日から配信されたので、
さっそく観てみた。

「日本沈没」といえば、
1973年(昭和48年)に刊行された小松左京によるSF小説。

クリックすると元のサイズで表示します

1973年と2006年に映画化され、

クリックすると元のサイズで表示します

1974年にはテレビドラマ化、
1973年と1980年にはラジオドラマ化、
1970年代と2000年代には漫画化され、
今回のアニメ化に至る。

急激な地殻変動によって、
日本列島全体が海の底に沈んでしまい、
日本人は国を失った流浪の民族となる、
という卓越したアイデアを
様々な検証によってリアリティを持たせた原作は、
ノベルスの上巻204万部、下巻181万部の計385万部の
大ベストセラーになった。
科学的見地のみならず、
日本人論にまで至った小松の視野は広く、
日本人を覚醒に至らしめた。

2006リメイク版映画の公開に合わせ、
「日本沈没第二部」が、

クリックすると元のサイズで表示します

谷甲州との共著という形で出版されたが、
エンタメとしてはやや難しく、
ベストセラーには至らなかった。

今回のアニメドラマ化は10話構成で4時間14分という長さから、
原作の意図がよく織り込まれた
充実した作品になるかと期待したら、
全くの期待外れだった。

クリックすると元のサイズで表示します

時代は東京オリンピックが終った後、
という設定の2020年。
巨大な地震が日本全体を襲い、
東京を危険と感じた人々は
安全な場所を求めて移動を開始する。

クリックすると元のサイズで表示します

ドラマは、その一家、武藤家の4人家族と
近所の住人に焦点を当てて描く。
というか、その人たちしか描かない。
日本全体がどうなっているか、はほとんど出てこない。
まして、諸外国の動向など、関心の外だ。
つまり、災害に当たり、
ある庶民がどのような苦労をしました、という
サバイバルストーリーになっているのだ。

これでは、世界全体から電力が無くなってしまった、
という状況の中、
東京に住むある一家が西をめざす様を描いた
「サバイバルファミリー」と同じ。
なにも同じ材料を料理することはない。

クリックすると元のサイズで表示します

地球の地殻変動に巻き込まれた日本列島と、
その列島の上の日本人の生き方、
原作小説の一番面白いところは全く描かない。
つまり、小説とは、全く別物なのだ。

移動する間、荒された食料品店や
滝に行き着いて飲料水を確保するところや、
イノシシを捕まえて飢えを満たすなど、
ありがちな描写が続く。
意外なのは、父親が不発弾を掘りあてて早々と死んでしまったり、
同行者の女性が、有毒ガスに触れて死んでしまったり、のあっさりさ。
途中、乗せてくれたトラックの運転者に犯されそうになったりする。
エストニア人のユーチューバーのカイトが現れたり、
侵入したスーパーのオーナーの老人や
ヒッチハイクするユーゴスラビア出身者など、
同行者が増え、
シャインシティという、新興宗教まがいの施設で
陰謀に巻き込まれたりする。
ここで施設に収容されていた全身付随の人物、小野寺が登場、
原作中の潜航艇の操縦士だが、全く何の説明もない。
原作中の重要人物、田所博士に至っては、セリフで語られるのみ。
このシャインシティのエピソードは、
全くの不要

その後、脱出船に乗せてもらえず、
漁船に乗った後、救命イカダに乗るなど、
途中、「漂流モノ」になったりする。
武藤一家の母親はフィリピン人で、
娘の歩、弟の剛はハーフ。
そのために避難船に乗せてもらえない、
なども描かれる。
ここで今風にマイナンバーなども登場する。
もちろんインターネットやスマホやSNSも登場する。
小野寺の示した極秘データを取得するための冒険もある。
そのあたりで9話なので、
もしかしてシーズン2に続くのか、
と思っていると、第10話で、
突然話が切り替わる。
あえて、ここには書かないが、
いくらなんでも、と唖然とした。

要するに、天変地異で逃げる一家の姿を追うだけの話。
日本沈没という状況でなくても通用する話だ。
一体、何をしたかったのか
脚本家、監督の意図が全く分からない。
東日本大震災と津波という
未曾有の経験をした後の日本人として、
訴えたいことはなかったのか。

監督は湯浅政明。
脚本は吉高寿男。
この原作から
こんな脚本しか生み出せなかった
日本の映画界の才能のなさに慨嘆した。

同時期に配信開始された「呪怨 呪いの家」も観たが、
あまりのひどさに第2話でやめた。
一方「愛の不時着」「梨泰院クラス」などの韓国ドラマ
高い評価を得ている。
この差は一体何なのか。


タグ: 映画



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL





AutoPage最新お知らせ