映画『ジョーカー』  映画関係

[映画紹介]

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DCコミックス「バットマン」に登場する
悪役・ジョーカーが誕生するまでを描く、
「バットマン」の前日談。

1980年代、財政難で市民生活が破綻し、
貧富の差も拡大し、
人々の心が荒むゴッサムシティ。

大道芸人のアーサー・フレックは、
母ペニーの介護をしながらコメディアンを目指していたが、
機会が恵まれず、
ピエロの扮装でサンドイッチマンをする毎日だった。
アーサーは、緊張すると
発作的に笑いが止まらなくなる持病を持っており、
福祉センターでカウンセリングを受けていた。

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不良少年に仕事を邪魔されたことから、
護身用に同僚が渡してくれた拳銃を携行していたが、
小児病棟でのピエロの仕事中にそれを落としてしまったことが原因で、
会社を解雇されてしまう。
その帰途、ピエロの格好で地下鉄に乗り、
笑いの発作に見舞われたアーサーは、
エリート証券マンたちにからまれて、
彼らを拳銃で射殺してしまう。

事件は意外な波紋を呼び、
貧困層から富裕層への復讐として社会的に認知され、
ゴッサムの街では、
犯人のメイクにインスパイアされた、
ピエロの格好でのデモが活発化していく。

同じアパートの住人むソフィーと仲良くなったアーサーは、
彼女を、コメディアンがショーを行うバーへ案内し、
初めてコメディアンとして人前に出る。
発作で笑いだしながらも、
アーサーはショーをやり遂げる。

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その様子は、テレビのマレー・フランクリンの番組で流されて
番組の中で「ジョーカー」と紹介され、
アーサーは、自らの意図しないところで、有名人となる。

アーサーは、母が、かつて家政婦として雇われていた
実業家トーマス・ウェインへ宛てた手紙を読み、
自分がトーマスの隠し子であることを知る。
アーサーはトーマスと対面するが、
トーマスは、ペニーの手紙はすべて出鱈目だと言い切り、
アーサーはペニーの実子ではなく養子だと告げる。

アーサーは州立病院へ行き、
母親の昔の診断書を閲覧すると、
意外な出生の秘密が明らかになる。

マレーの番組の反響は大きく、
テレビ局の担当者から、ゲストとしての出演を依頼される。
収録当日、アーサーは、
ピエロのメイクをしてテレビ局へ向かう。
その日、ピエロの恰好のデモ隊で町は混乱の極みだった。
そして、テレビに出演したアーサーは・・・・

いやはや、「すごいものを観てしまった」というのが感想。
ジョーカー(アーサー)を演ずるホアキン・フェニックスの演技がすさまじく、
監督を務めたトッド・フィリップスの演出力と化学反応を起こして、
えも言われぬ、哀愁の雰囲気を醸し出す。
特に終盤、ピエロの恰好をして
テレビ局に向かうアーサーの姿には感動さえ覚える。

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天才俳優と鬼才監督の幸福な出会いが、ここにはある。

ゴッサムシティはデモが暴動と化し、
街のあちこちで火の手が上がる混乱の極みの中、
アーサーを追う刑事たちが
地下鉄で遭遇したピエロの群れに巻き込まれる様は、
不気味さを漂わせて秀逸。
逮捕されたアーサーを護送していたパトカーが事故を起こし、
アーサーは暴徒によって救出される。
アーサーはパトカーのボンネットの上に立ち上がり、
口から出た血で
裂けた口のようなメイクをして暴徒たちを見下ろす。
「ジョーカー」の誕生の瞬間である。

後のバットマンになる、
幼い時のブルース・ウェインとの接触も描かれる。
バットマンの執事も登場する。
また、ブルースがバットマンを志す動機となる
ある事件も描かれる。
バットマンとジョーカーの宿命的な縁(えにし)を感じさせて、胸を打つ。
どことなく、マーティン・スコセッシ「タクシードライバー」(1976)を彷彿とさせる。

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そういえば、マレーを演ずるロバート・デ・ニーロ
「タクシードライバー」の主人公だった。

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アーサーは、孤独でも心の優しい青年で、
母の「どんなときも笑顔で人々を楽しませなさい」という言葉で
コメディアンを目指したのだが、
人を笑わす前に、
まず自分が笑ってしまうという持病で変人扱いされる。
マレーの番組に呼ばれたのも、
自分を笑い物にするためだとアーサーは知っている。
その、世の中に受け入れられない鬱屈が爆発した時、
民衆の怒りと共鳴するのが、この映画のミソ。
ジョーカーは世の中が生み出したのだ。

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精神異常者を描く映画だが、
心に残る作品となったのは、
人間が描かれているるから。
どんな作品も、人間が描かれている限り、成功する。

そのことを新たに感じさせてくれた作品だった。

第76回ヴェネツィア国際映画祭で
最優秀作品賞にあたる金獅子賞を受賞。
ホアキン・フェニッツスとトッド・フィリップスは、
来年のオスカーを賑わすだろう。

5段階評価の「4.5」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/kYXl6BSPUHA

拡大上映中。

タグ: 映画



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