南北統一  政治関係

韓国の文在寅大統領の政治的最終目的は、
南北統一である。
GSOMIAの破棄や
在韓米軍の撤退など、
日米韓のトライアングルの破壊は、
着々と進む南北統一の一里塚である。

しかし、一体どんな形の統一なのかは、
なかなか見えてこない。

同じ民族でありながら、
分裂している現状は、
確かに民族の悲劇であり、
可能なら、統一した方がいいに決まっている。

韓国で広く歌われる歌に
「私たちの願いは統一」という歌があるが、
その心情的な部分は理解できても、
これほど違う国家が一つになるという道筋は
それほど甘くない。

「連邦制」など様々な提案があるが、
統一する以上、
政治、経済、文化の自由交流、
更に人的交流が保証されなければ、
統一の意味がないだろう。

仮に、連邦制のような形で一つの国家になったとしよう。
だが、現実には、統一国家とは言えない事態が起こる。

まず、政治形態は、南北それぞれの体制を維持したとしても、
連邦政府はどのように機能するのか。
元首は南北の誰がなるのか、
それ一つで大もめにもめるだろう。

次に人的交流
北と南が自由に行き来出来るようになったとする。
ということは、北の貧民が南に流れ込んで来るということだ。
貧民は安い労働力となる。
すると、南の人々の雇用が奪われる。
欧州の移民問題のような問題が生ずるだろう。

また、北にとっても人民の自由往来は望ましいことではない。
というのは、これまで、
半島南部(韓国のこと)では、
アメリカの傀儡政権によって、
人民が抑圧され、
貧困にあえいでいる、
だから、南を解放しなければならない、
と教え込まれているのだ。
北の人々が南に自由に行くことが出来れば、
今まで北の政権によって教え込まれてきたことが
大嘘だったことがばれてしまう。

その結果、統一がなっても、
南北の往来は制限される
つまり、38度線はそのままで、
一つの国家の中に国境が存在することになってしまう。
これが「統一」と言えるだろうか。


通貨のウォンにしても、
南北の格差は120倍ある。
つまり、通貨の統一は出来ないということだ。

モノの流通も、
南の製品を購買する力が北の人々にはない。
国境は閉じたままで、
北は安い労働力の提供場所となるだけだ。

文大統領は北と南が統一すれば、
日本を越える力を持てると言ったが、
それが現実になるのは、
何十年も先のことである。

というわけで、
南北統一には困難が伴い、
現実的には難しい。

唯一出来ることは、
南北の政権のどちらかが倒れることで、
その時は、吸収合併されることになる。

ベトナムは戦争の結果、
南の政権が倒れ、
北の軍隊がサイゴン(現ホーチミン)を占拠して、
統一がなった。

ドイツは西側の情報がテレビなどの電波によって東に流れ、
自由を求める人民の力によって
東ドイツが崩壊した。

つまり、自然の流れがそうさせるのであって、
政治的合意で統一をなすことは不可能という前例である。

あとは、北が軍隊の力で南を制圧した場合だ。
「赤化統一」という言葉があるが、
これは、北朝鮮主導の統一で、
朝鮮半島全土が
共産圏(死語だが)に入ることを意味する。
その場合は、北の政治体制が南に押しつけられることになる。
政権の圧政による人民の管理である。

これには、自由の味をしめてしまった南の人民が黙ってはいるまい。
当然、反政府勢力が台頭し、
半島は内戦の舞台となる。

専門家は、
南北統一は「韓国の貧困化」を招くだけでなく、
「朝鮮半島が火薬庫と化す」恐れがあると警鐘を鳴らしているが、
現実にはそうなるのがリアルである。

仮に円満に統一されたとしても、
そのコストはどうか。
東西ドイツが1990年に再統一された際、
旧東ドイツの1人当たり国内総生産(GDP)は
西ドイツの3分の1から半分程度で、
人口は4分の1ほどであった。
統合には莫大なコストがかかり、
その後のドイツ経済に重く負担がのしかかった。

朝鮮統一のケースを考えると、
韓国の1人当たりGDPは約3万ドル(約330万円)で、
人口は約5000万人。
これに対し、
北朝鮮の1人当たりGDPは1800ドル(約19万8000円=推定)で、
人口は2500万人程度(同)とされる。

北朝鮮の1人あたりGDP1800ドルは、
インドの約2000ドルとさほど変わらず、
意外に高く見えるが、
その大部分がキム一族の支配下にあるので、
庶民の1人当たりGDPは実際には月額1ドル、
年間12ドル程度との報道もある。
(その場合の格差は2500倍である)

1800ドルという、
韓国の公式な推定値を用いても
韓国と北朝鮮の1人あたりGDPには
約17倍もの開きがある。

東ドイツの1人あたりGDPが
西ドイツの2分の1〜3分の1程度であった
東西ドイツ統合の苦難の歴史を考えれば、
朝鮮統一は「地獄への近道」といえる。

左派以外の一般の韓国人が、
本音では朝鮮統一など全く望んでいないといわれるのも無理はない。
南北が統一される場合、北朝鮮に合わせる形で
韓国の生活水準が下がることが予想されるためだ。

統一費用は韓国のGDPの5〜6倍の
2〜3兆ドルと見積もられており
半島全体の経済が破綻するのではと言う危惧の声が挙がっている。

先に示したとおり、
北朝鮮主導の朝鮮統一が行われたら、
日本も多大な影響を受けざるを得ない。
大量に発生すると思われる韓国からの難民である。
韓国の人口が5000万人であるから、
その1%で50万人、
5%で250万になる。
それだけの数が玄界灘を越えてやってきたら、
日本がどうなるか、考えただけでも恐ろしい。

それだけではない。
北主導で統一されたら、
韓国にある日本企業の工場や店舗は接収される。

そして、38度線の防衛ラインがぐっと下がり、
対馬が最前線になる。

一番いいのは、
経済制裁が功を奏して、
北の人民が我慢できずに蜂起して、
北の政権を打倒することだが、
その芽は粛清に次ぐ粛清でつまれてしまっている。

今回のGSOMIAの破棄で、
半島の赤化統一の方向に進んでいるように見える。




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