『カメラを止めるな!』にパクリ疑惑  映画関係

わずか2館で上映されていた映画が、
今や全国190館で拡大上映。
観た人のほぼ全員が「面白い!」と絶賛。
口コミで評判が広がり続けている映画
「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)。

クリックすると元のサイズで表示します

私の口コミで娘も観て、
「面白い」と喜んでいた。

そこへ、パクリ疑惑が起こった。

「映画の評判は、僕も周囲から聞いていました。
そんなとき、過去に僕が主宰していた劇団の後輩から
『あれ、先輩の作品が原作ですよ。知らなかったんですか?』
と言われて、初めてその映画が、
僕の演出した舞台『GHOST IN THE BOX!』(以下『GHOST』)
をもとに作られたことを知ったんです」

と語るのは、和田亮一氏。
2011年から2014年まで
劇団「PEACE」を主宰していた人だ。

映画を観た和田氏は、こう言う。

「この映画で特に称賛されているのは、構成の部分。
前半で劇中劇を見せて、
後半でその舞台裏を見せて回収する、
という構成は僕の舞台とまったく一緒。
前半で起こる数々のトラブルを
その都度、役者がアドリブで回避していくのもそう。
舞台が廃墟で、そこで、
かつて人体実験がおこなわれていたという設定も一緒ですし、
『カメラは止めない!』というセリフは、
僕の舞台にもあるんです」

『GHOST』は、和田氏が企画して二部構成のプロットを考案し、
A氏とともに演劇の脚本として完成させたもの。
(舞台上演時は脚本がA氏、演出が和田氏とクレジット)。
2011年の初演が好評を博し、2013年に再演。
再演時には上田監督も観に来ていた

2014年に和田氏の劇団が解散した後、
2015年になって、上田監督が「PEACE」の元劇団員のB氏と接触し、
『GHOST』の映画化を企画。
上田監督はA氏に映画用の脚本執筆を依頼したが、
このプロジェクトは頓挫。

2016年に上田監督は「カメラを止めるな!」の
プロデューサーの市橋浩治氏から長編映画の製作を持ちかけられると、
「『GHOST』の映画版をやりたい」とB氏に伝えたという。
しかし、B氏には何の権限もない。

「Bに伝えたことで、
映画化の許諾を取ったつもりだったのでしょうか。
上田監督は大幅にAの脚本を書き直したことで、
『これは自分のオリジナルストーリー』と主張していますが、
構成や大まかな設定部分は完全にそのまま。
公開当初のクレジットにAとBの名前こそ入っていましたが、
原作の表記や劇団名、作品名は入っていません」
と、和田氏は言う。

A氏もこう語る。
「上田監督からは事後報告の形で
『名前を入れました』と連絡がありました。
しかし、脚本を書き直して映画化する過程で、
許諾を取る類いの連絡はありませんでした。
公開されたいま思うと、
原作として和田さんと私のクレジットがないのは疑問に思います」

公開後も、監督から劇団関係者への連絡は一切なかったという。

和田氏は言う。
「弁護士に、双方の作品を見比べてもらった上で相談したところ、
類似点の多さや、Aの脚本をもとに書き直したものであるのに
原作の表記がないこと、
原作者である僕やAの許諾を取らなかったことなどから
『これは著作権の侵害だ』と。
現在、訴訟の準備を進めています」

問題が発覚する以前の上田監督のインタビューで、
上田監督は、こう語っている。

クリックすると元のサイズで表示します

「とある小劇団のちょっと変わった構造の舞台を観て、
『面白いなあ』と思って。
脚本家に『これを映画化したい』と伝えたところ、
『ぜひ』ということだったので、
最終的には基本的な構造しか残っていないんですけど、
その構造をもとに3、4年プロットを考えたりしていました」

また、別なインタビューでも、こう語っている。

「きっかけは、5年ほど前に観たとある小劇団の舞台なんです。
B級殺人サスペンスみたいな話を1時間くらいやっていて、
ちょっと『なんだこの舞台は』みたいに思っていたら、
カーテンコールのあとに実は……ってなって、
その構造がすごく面白いなと思ったんです。
そこからこの映画の企画を発案しました。
最初はその舞台の脚本家や出演者の方と一緒に企画を進めていたんですが
なかなか前に進まず、一時はこの企画から離れていました。
2016年末、とある企画コンペに出すのをきっかけに
またこの企画を引っ張り出して、
プロットを固めていきました。
その企画コンペには落ちましたが、
そんなときにちょうどこのシネマプロジェクトのお話をいただいたんです」

どうやら、舞台の映画化という意思があったこと、
構造をいただいたことは認めているが、
構造(アイデア)そのものにも著作権があることに思いが至らなかったようだ。
自主映画、というスタンスが軽い気持ちにさせたのかもしれない。
だから、口約束で済ませてしまったのだろう。
いずれにせよ、
著作権に対して認識不足がそうさせたとしか言えない。

現在、『カメラを止めるな!』のエンドロールには
「原案」のクレジットが載っているが、
和田氏は「原作」のクレジットを求めている。
「僕が命懸けでやっていた劇団があまりに軽んじられている気がして、
上田監督に連絡を取り、
『せめて、原作という形で劇団名、作品名を入れてくれませんか?』
と求めたが、
その後の話し合いでも、
製作側は頑なに「原作」としてのクレジットを拒否。
「原案利用契約」が提案されたが、
権利を不当に買い取る内容で、
和田氏は納得できなかった。

いずれにせよ、
こんなことで揉めていては、
作品にも傷がつく
今からでも遅くはない、
依怙地にならず、
配慮が足りなかったことを認めて、
「劇団「PEACE」の舞台『GHOST IN THE BOX!』
(脚本A氏、演出和田氏)に
インスパイアされたものです」
(これが事実に近い)とでもクレジットを入れて、
それなりの原作料を支払って、
裁判闘争など、
スキャンダル化することを避けた方が
映画の観客にとってもプラスだと思うが。

昔、黒澤明監督の「用心棒」(1961)が
イタリアで「荒野の用心棒」(1964)として勝手にリメイクされた時、
東宝が著作権侵害だとして告訴し、勝訴。
「荒野の用心棒」の製作会社は黒澤たちに謝罪し、
アジアにおける配給権と
全世界における興行収入の15%を支払うことになった。

自主映画の時にしかるべく筋を立てて、
わずかな謝礼で済んだものが、
これだけのヒットの後には、
それでは済まない可能性もある。

ただ、日本映画の今年の快挙
水を差さずに、円満に解決していただきたい。

(週刊FLASHなどの記事を参考に再構成)

タグ: 映画



2018/9/24  23:05

投稿者:さすらい日乗

これは著作権上には問題ないと思う。
理由は、後半のいろいろ予期せぬ問題が起きるが皆の努力で解決するというパターンの作品は多数あり、元の原作者のオリジナル性はないからです。

それよりも気になったのは、前半のビデオがテンポが悪いことで、無理にワンシーン・ワンカットにする意味はないと思いました。実際、何回かカットは割られているので、拘る必要はなかったと思いました。
相米慎二病は良くない。

http://sasurai.biz/

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL





AutoPage最新お知らせ