映画『女は二度決断する』  映画関係

[映画紹介]

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ドイツのハンブルクで、
カティヤは夫ヌーリと息子ロッコの3人で幸福な暮らしをしていた。
ある日、ヌーリの事務所の前で爆弾が爆発し、
夫と息子が犠牲になる。
人種差別主義者のドイツ人による
在住外国人(移民)を狙ったテロだった。

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容疑者は逮捕され裁判が始まるが、
裁判は思った通りには進展しない。
裁判の結果を受け、カティヤはある決断をするが・・・

愛する夫と息子を失った絶望から自殺しようとしたカティヤが
犯人逮捕の知らせを受け、裁判で闘おう
と決意するのが、第1の「決断」
裁判の結果を受け、犯人男女の居場所をつきとめたカティヤが
ある方法で報復しようと決めるのが、第2の「決断」

ネオナチの連続テロ事件がモデルになっているが、
これは、ドイツ警察の戦後最大の失態と言われている。
初動捜査の誤りから、10年以上も逮捕が遅れ、
その間、犯人は犯行を繰り返した。

それを反映したのか、本篇での裁判も
犯人側弁護士の手練手管に翻弄される。

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夫ヌーリが麻薬売買の前科があることや
事件後、カティヤが気持ちを落ち着かせるために
人から分けてもらった麻薬が自宅で発見されたことで、
カティヤの目撃証言の信憑性が疑われる。
これはカティヤ側の弁護士の作戦ミスだ。
加えて、犯人のガレージにあった証拠物件も
他人が侵入できる余地があることや、
同じ人種差別者の仲間によるアリバイの捏造など不利な証言もある。
それにしても、これだけ物的証拠、状況証拠がある中で、
あの判決とは・・・。

映画を支えるのは、
カティヤを演ずるダイアン・クルーガーの迫真の演技。

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そして、ファティ・アキン監督による
カティヤの精神状態の濃密な描写だ。

ファティ・アキン監督は、
36歳にして世界三大映画祭全てで賞を獲得した実績の持ち主。
2004年、「愛より強く」で、
第54回ベルリン国際映画祭金熊賞やヨーロッパ映画賞作品賞を受賞。
2007年、「そして、私たちは愛に帰る」で、
第60回カンヌ国際映画祭で脚本賞と観客賞を受賞。
2009年、「ソウル・キッチン」で、
第66ヴェネツィア国際映画祭で審査員特別賞を受賞。

ダイアンは既に国際スターだが、
初めて母国語であるドイツ語で演じ、
本作の演技で第70回カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞
この役には美人過ぎないか、というのは余計なお世話か。

ゴールデングローブ賞では、
並みいるライバルたちを退けて外国語映画賞を受賞。
(なぜかアカデミー賞の外国語映画賞ではノミネートさえされなかった。)

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本作は、法と正義、遺族の感情という重大な問題を突きつける。
法治国家の中にいる以上、
裁判の結果には従うべきか、
それとも制度が機能しない以上、
カティヤの「決断」を支持するか、
議論があるところだが、
私は支持する
国が正義を発揮できないなら、
原初の掟に戻るしかない。
まして、卑劣きわまる犯人たちなのだ。
しかも、カティヤは自分の命を賭して実行したのだ。

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/t_9rvz7IvZ4

ヒューマントラストシネマ有楽町他で上映中。


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