映画『私はダニエル・ブレイク』  映画関係

[映画紹介]

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舞台は英国中北部の工業都市、ニューカッスル
59歳のダニエル・ブレイクは、
大工の仕事に誇りを持ち、実直に誠実に正直に生きてきた。
最愛の妻を亡くして一人になってからも、
規則正しい暮らしを変えなかった。
ところが突然、心臓病におそわれたダニエルは、
ドクターストップがかかり、
仕事がしたくても仕事をすることができない。
失職したダニエルは国の援助の手続きを進めようとするが、
あまりにもややこしい制度を前に途方に暮れる。
そんな中、ダニエルは二人の子供を持つ
シングルマザーのケイティと出会う。

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ケイティも住む家を追い出されて、この町に流れ着き、
貧困にあえいでいた。
同じ境遇から交流が生まれ、お互いに助け合う中で、
ケイティは、
万引きしたスーパーの警備員の紹介で、
ある職業につくが・・・

冒頭の指導員とのチグハグな問答から始まり、
お役所の手続きは、
支援を求める人のことを考えているとは思えない杓子定規
なにしろ、働けないというダニエルに
就職活動を指示し、
履歴書を配ると、その証拠を出せろという。
おかげで、経歴を見た会社が
採用の通知をして来たにもかかわらず、
働けないから、と断ると、
なら、何故履歴書を配ったんだ、と罵倒される始末。
審判に不服を申し立てると、
パソコンで申請書類を作れと言われる。
大工で、パソコンなど触ったことのないダニエルが
マウスの使い方さえ分からず、悪戦苦闘していると、
見かねた親切な職員が手伝ってくれる。
しかし、上司に見とがめられ、
「そんなことをしてはいけない」と職員が叱られる。
支援を求める人は必死なのに、
職員は立ち話で談笑している。
見切りをつけたダニエルはある行動をとるが・・・

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「ゆりかごから墓場まで」を標榜する英国でも
小役人のお役所仕事は血が通わず、
本当に支援を求める人のためなど考えていない。
何より規則、規則の優先で、
従えない事情のある人はあっさり切り捨てる。
不服手続きには何カ月もかかり、
その間の収入は保証されない。
頭蓋骨の半分を失って
重度の記憶障害と半身麻痺を抱える男性に対し、
「就労可能」と裁定したという例さえある。
疲弊したイギリスは社会保障制度が崩壊しつつあるが、
公務員は安穏として、
規則だけを全うしていればいいのだ。

「フードバンク」という、
食料の寄付によって
貧しい人に食べ物を提供する会の
係の暖かい態度とは対照的だ。
しかし、フードバンクに行ったことで、
子どもたちは学校でいじめにあう。

ケイティが万引きしたスーパーの店長の温情も胸にしみる。
貧しい人々を見ていたからだろう。

映画祭受賞の常連、
イギリスを代表する巨匠ケン・ローチ監督は80歳。

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長編映画監督デビューから50年。
前作「ジミー、野を駆ける伝説」(2014)を最後に
引退を表明していたが、
現在のイギリスや世界中で拡大しつつある
格差や貧困にあえぐ人々を目の当たりにし、
今どうしても伝えたい物語として
引退を撤回してまで制作されたのが
本作「わたしは、ダニエル・ブレイク」。
昨年のカンヌ国際映画祭では、「麦の穂をゆらす風」(2006)に続く
2度目のパルムドール(最高賞)を受賞した。

ケン・ローチ監督は、このように述べる。

「生きるためにもがき苦しむ人々の
普遍的な話を作りたいと思いました。
死に物狂いで助けを求めている人々に
国家がどれほどの関心を持って援助をしているか、
いかに官僚的な手続きを利用しているか。
そこには、明らかな残忍性が見て取れます。
これに対する怒りが、本作を作るモチベーションとなりました」

最後のダニエルの気持ちを伝える手紙が
ずしりと胸に応え、
貧困と支援の関係の中での
人間の尊厳について考えさせてくれる。
何より人としての敬意を求めているのだ。

傷心のケイティをダニエルが、
「君は何も悪くない」
と励ます場面が胸を打つ。

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ダニエルを演ずるのは、
コメディアンとして活動しているデイヴ・ジョーンズ
オーディションで選ばれ、
映画初出演でリアルな演技を見せる。

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ケイティには、デイヴと同じくオーディションで選ばれた、
ヘイリー・スクワイアーズ

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5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/kKtMlA-vvdo

ヒューマントラストシネマ有楽町、
新宿武蔵野館で上映中。

入場料金のうち、
50円が
貧困に苦しむ人々に対して寄付される。

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詳しくは、↓をクリック。

http://danielblake.jp/charity/

タグ: 映画



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