『七つの会議』  書籍関係

〔書籍紹介〕

クリックすると元のサイズで表示します
                              
中堅メーカーの東京建電の営業一課で異変が起る。
ダメ社員の烙印を押されていた八角民夫
上司の課長・坂戸
社内のパワハラ委員会に提訴したのだ。
華々しい実績を上げている坂戸のことだから
上の判断でお咎めなし、になるという周辺の予測に反して、
坂戸は課長を解任されてしまった。
上司の北川部長も、更に上部の取締役会もそれを承認したという。

代わって第一課長に就任した原島
パワハラ提訴の真相を八角に問いただす。
話を聞いて、原島は打ちひしがれる。

一方、3年前に坂戸によって調達の解約を受けた
ネジ製造会社「ねじ六」の社長は、
突然訪ねて来た原島から
3年前に契約を切られたネジ製造の再注文を受けて面食らう。

経理部の課長の加茂田は、
営業第1課の資材調達コストが高くなったことに注目していた。
調べてみると、
かつて坂戸が取り引きを打ち切った会社ばかりが
再度調達先として選ばれ、
その結果、調達価格が上がっているのだ。
しかし、役員会で報告すると、
社長が「原島に任せたのだから、それでいい」と却下する。

業績不振でクレーム処理係に回された佐野は、
会社が製造したパイプ椅子のネジが壊れた、
というクレームを受ける。
調べた結果、そのネジが坂戸課長の時代に
ねじ六からトーメイテックという会社に
発注替えされた時の製品だということに気づく。
トーメイテックが安い見積りでねじ六から仕事を奪い、
その結果、粗悪品を提供したのだ。
それというのも上層部からのコスト削減の命令があったからだった。
その報告を上司に握りつぶされた佐野は
積年の恨みもあって、
内部告発に踏み切るが、
それが想像異常に巨大な波紋に変わっていく・・・

というわけで、
東京建電がコスト削減のためにした不正の実態が明らかになる。
ネジの強度が不足し、
そのネジはパイプ椅子だけでなく、
航空機や鉄道の座席にも使われている。
もしリコールにでもなれば、
莫大な費用になることを知った社長の決断は・・・

会社の中で起る典型的な事件を通して、
組織の中の人間模様、
サラリーマンの悲哀

等が描かれるのは、
いつもの池井戸作品のとおり。

話の展開は謎を含み、
初めは社内人事の謎、
次に社内不祥事の解明、
それに対する上層部の対処、
さらに親会社の対応へと
スリルは拡大する。
更にそれは親会社との関係など、
企業の体質の問題にまで広がっていく。

企業体質を打破することが出来るかどうか。
その中で、取締役、管理職、社員の
真実が試される。

とにかく読んでいて面白い

出世争いに敗れ、
本社から出向してきた副社長の村西の父親の言葉が胸を打つ。

「仕事っちゅうのは、金儲けじゃない。
人の助けになることじゃ。
人が喜ぶ顔見るのは楽しいもんじゃけ。
そうすりゃあ、金は後からついてくる。
客を大事にせん商売は滅びる」

2013年7月、NHKの土曜ドラマで4回にわたり放送された。





コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL





AutoPage最新お知らせ