『日本人はいつ日本が好きになったのか』  書籍関係

〔書籍紹介〕

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「なぜ日本は世界でいちばん人気があるのか」(3日前のブログ参照)
に続く、竹田恒泰氏の著作。

冒頭「この本を手に取った方へ」という
手書きのまえがきで、著者はこのように書いている。

いまは「日本が好き」き言える時代ですが、
すこし前まで、
たったそれだけのことを、
言うことができませでした。
もし口に出すと、
すぐに「右翼」と叩かれました。
それって何かおかしいと思いませんか?
日本人が日本のことを好きで、
いったい何がいけないのでしょう。

この本の構成は、次のとおり。

第1章 「普通の国」へ進化してきた日本
第2章 GHQが日本人を骨抜きにした
第3章 「戦後教育マニュアル」の正体
第4章 「国体の護持」を達成した日本国憲法
第5章 9条改正と謝罪外交の終焉
第6章 中国は敬して遠ざけよ
第7章 前近代的国家・韓国の厄介さ
終 章 国を愛すれば未来は輝きわたる

英国のBBCの調査で、
自国に対する好感度があるが、
日本人の自国に対する評価の低さの異常ぶりを紹介している。
2012年の調査で、
自分の国を好意的に評価した日本人は41%
50%を下回るのは日本とパキスタンだけだったという。
この評価を受けて、著者はこのように書く。

もしわが国が、戦争の最中にあり、
治安が悪く、物資が不測し、
インフラが未整備で、
学校や病院も不足していて、
文化程度が低い国ならば、
国民が自国のことを低く評価しても致し方ない。
だが、実際の日本はそれとはまったく正反対で、
平和で、治安もよく、物資に溢れ、
インフラも、学校や病院も整備され、
文化の香り高い豊かな社会である。
しかし、そのような豊かな社会に暮らしていながら、
たった41%の人しか
日本のことを肯定的に捉えていないのは、
極めて異常ではあるまいか。

しかし、次第に日本のことを好きな日本人が増えているという。
その原因として筆者は3つのものをあげる。
一つは東日本大震災
あの未曾有の災害を通じて、
日本人が日本を愛することを目覚めたのだという。
そして、二つ目は外患
竹島、尖閣を通じて、
日本人は国土のことを意識するようになった。
そして、三つ目は内憂
3年半続いた民主党政権のもとで、
日本人は政治の重要性を思い知ったのだという。

では、なぜ日本人が日本を好きでなかったのか。
その原因は戦後日本を占領したGHQの方針にあったという。

連合国が日本を占領した最終的な目的は何であっただろう。
それは、日本を精神的に武装解除させること。
すなわち、日本人を精神的に骨抜きにすることである。

そのために「報道」「教育」を使い、
WGIPが実行されたのだという。
WGIPとは、War Guilt Information Program の略で、
意味は、
日本人の潜在意識に
戦争についての罪の意識を植え付ける宣伝計画
である。

そういえば心当たりがあるだろう。
戦前の日本軍国主義の悪を徹底的に教え込み、
その結果、「国」は悪である、という意識を植え付けたのである。
「国」が悪なのだから、
「愛国心」も芽生えるはずがない。
戦後の謝罪外交も
全部その根はWGIPにある。
朝日新聞をはじめとする
日本を貶める論調はその残滓と言えよう。

WGIPの方針の一つに神話の封印がある、と筆者は言う。

同一民族の条件は、
「歴史と神話を共有すること」
にほかならない。
ゆえに、
世界のどの国でも、
歴史と神話を懇切丁寧に教えるのである。

日本の教育から神話が消え失せた。
その結果、日本の若者は、
この国がいつ建国されたかを知らない。

GHQは、
次の5点を検閲内容として挙げ、
教科書から徹底的にこれらを排除した。
@天皇に関する用語
A国家的拡張に関する用語
B愛国心につながる用語
C日本の神話の起源や、
 楠木正成のような英雄及び道義的人物としての皇族
D神道や祭祀、神社に関する言及、等々
国を興隆させることや
国を愛することは、
子どもたちに教えてはいけないこととされ、
教科書に国家的拡張と愛国心につながる用語を使うことすら、
厳禁とされていたことがわかる。

最近、愛知県一宮市の私立中学の校長
学校のホームページ上の
2月11日の建国記念日についてのブログに、
神武天皇の即位の日のことや
仁徳天皇の善政、
それにマッカーサーと天皇陛下が面会した時、
「今回の戦争の責任は全て自分になるのであるから、
私を罰してほしい」
と言ったことにマッカーサーが感激した、
などのことを書いた。
それが市の教育委員会に「偏向教育だ」と匿名の手紙が寄せられ、
校長は「迷惑をかけたくないから」と
ブログの掲載を取りやめたという事件があった。
まさにこれなど、
GHQによって刷り込まれたものの残り滓と言えよう。
なお、この校長のブログは、
中学社会科の学習指導要領に明記されている
「神話・伝承などの学習を通して、
当時の人々の信仰や
ものの見方などに気付かせるよう留意すること」
に従ったもので、
何ら問題がないのである。

こうして、GHQの方針は今だに呪縛として日本を支配している。

尖閣や竹島に対する中国、韓国の横暴が
日本人としての愛国心を高めたとすれば、
中国、韓国は功績があると言えるかもしれないが、
中国、韓国にしてみれば
誤算と言えるだろう。

筆者は中国は大国であり、
影響は大きいので、
次のように提案する。

日中問題を考えるうえで、
中国とは適切な距離を保ちつつ、
とにかく戦争が起きないように
上手に振る舞うことが最も重要なことではないだろうか。

韓国については、
法治国家ではない前近代国家であることを踏まえ、
面積は日本の約4分の1、
人口も日本の半分の約5千万人、
経済もGDPで日本の5分の1に過ぎない国家であることを見定めて、
付き合わない方がいい、と言うのである。

中国とは細心の注意を払いながら
「近所付き合い程度」の距離を保つことが肝要であり、
また韓国とは
よほどの理由がないかぎり
付き合わない方針を立てるのが
日本の国益に適うと思う。
それと同時に、
日本は中韓北を除く
アジア諸国との友好を深めるべきであろう。
これを「アジアマイナス3構想」と名付けておきたい。

最後に、「カルタゴの歴史に学べ」とした部分を挙げる。
カルタゴは2千年以上前に
現在のチュニジアにあった都市国家で、

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第2次ポエニ戦争でローマに敗れ、
紀元前201年に
ローマから一方的に突き付けられた次の条件の講和を承認した。

@完全武装解除
Aカルタゴの独立は認めるが、
 本国以外の全ての領土の放棄
Bカルタゴの安全はローマが保証し、
 カルタゴは専守防衛の目的に限り、
 自衛軍の存在を認められるが、
 海外での戦争行為は絶対許されない。
C本条約がローマ元老院の承認を得るまで、
 カルタゴに駐留するローマ軍の給与、食糧、その他、
 一切の費用はカルタゴが支払うこと。
D脱走兵、逃亡奴隷、捕虜を無償でローマに引き渡すこと。
E賠償金として1万タレントを
 ローマに支弁すること。
 ただし50年賦の支払いを認める。
F10歳以上、30歳以下の男子百人を
 総司令官スキピオの人選によって
 ローマに送ること。

この講和条件を読むと、
先の大戦の終結に当たり
日本が受諾した「ポツダム宣言」と共通点が多いことに
気付くはずだ。
なんとか国としての独立は認められたものの、
戦争が禁止され、
軍の保持が制限されたことは、
日本国憲法の第9条を彷彿とさせるものがある。

そして、その後のカルタゴが
戦後の日本とよく似ている。

戦後のカルタゴは経済活動に専念し、
持ち前の商才を発揮して、
奇跡の復興の末、
経済大国に復帰したのだった。
終戦からわずか10年後の前191年には、
カルタゴは賠償金の残額をまとめて支払いたいと申し出たほどである。

その結果、再びローマにとっての脅威となり、
口実をみつけて第3次ポエニ戦争が勃発、
紀元前146年に
カルタゴはついに滅亡してしまうのである。
20万人の人口のうち残ったのは5万人、
彼らはことごとく奴隷となり、
都市は破壊され、
土地は作物がならないように
塩をまいたとされます。
まさに戦争の結果、
カルタゴは完全消滅してしまったのだ。

私たちはカルタゴの興亡の歴史に学ぶところが多い。
カルタゴが滅んだ最大の原因は、
戦後の縛りのなかで経済一辺倒に傾いたところにあると思う。
カルタゴ人はとにかく商売には長けていたが、
教育と外交と軍事を疎かにした。

カルタゴが教育と外交と軍事を疎かにしてしまったことは、
国を滅亡させる三大要素になった。
戦後の日本も、
この三つを疎かにしたのではあるまいか。

最後に著者は次のようにまとめる。

近年、日本人が日本のことに興味を持った。
日本で日本ブームが起きたのは、
戦後初めてである。
日本人が日本を好きになったのは、
東日本大震災からではなかったかと思う。
これだけ大きな災害を経験しないと気付かなかったのかと思うと、
日本人として反省至極である。

私たちは震災で、
大切なものはカネだけではないということに気付かされた。
これまで意識もしていなかったもの、
たとえば家族や地域の絆や、
日本人の精神、
そういったものに本当に価値があることを知った。
私たち日本人が原点に立ち返り、
美しい日本の精神を取り戻し、
その光のなかで立ち上がって
本物の復興を遂げたときに、
もしかしたら震災で亡くなった方々に
報いることができるのかもしれない。




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