『太陽の棘』  書籍関係

〔書籍紹介〕

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精神科医のエド・ウィルソンは、
大学を卒業後、軍に徴用され、日本に赴任、
京都で事前訓練を受けた後、沖縄で任務につく。
兵士の中に起こる
戦争による心の傷跡をケアする仕事だ。

休日、車で沖縄を運転していたウィルソンは、
道に迷い、
「NISHIMUI ART VILLAGE」
という看板を掲げた一角にたどり着く。
そここそ、沖縄土着の絵画を描く芸術家たちのコロニーだった。
こうして、ウィルソンとそこの画家たち、
ゴッホでもなく、ゴーギャンでもない、
独特な画風を持った画家たちとの交流が始まる。

ニシムイ(北森)美術村は、
沖縄県那覇市首里に実際にあった芸術家たちの共同体。

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2009年3月15日、
NHK「日曜美術館」で特集された。
画家たちは、アトリエ兼自宅の小屋で、
アメリカ兵相手に絵を売って暮らしていた。

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安谷屋正義(あだにやまさよし1921-1967 )、
玉那覇正吉(たまなはせいきち1918-1984 )、
安次嶺金正(あしみねかねまさ1916-1998 )といった、
のちに沖縄を代表する画家たちがいた場所だ。

本作は、美術関係の小説で特異な位置を占めるな原田マハ
サンフランシスコ在住の精神科医、
スタンレー・スタインバーグ博士に会い、
1948年から50年までの間、
沖縄アメリカ陸軍基地に勤務し、
ニシムイ美術村の芸術家たちと交流した
経験を聞いた話に基づいて書かれている。

スタインバーグ博士が集めたニシムイ・コレクションは、
2009年、沖縄県立博物館・美術館の展覧会で展示された。
前記のNHKの特集は、その際のもの。

ただ、物語は平板で、
ニシムイ美術村の芸術家たちの内面まで立ち入ったものではない。
起こる事件も平凡。
せっかくの素材を
充分な熟成をさせないまま書いてしまった感がある。

ただ、あまり知られていないニシムイ美術村について
小説化した功績は買う。

冒頭に掲出した本の表紙↑は
玉那覇正吉氏によるフタンレー・スタインバーグの肖像(一部)。
裏表紙は玉那覇正吉氏による「自画像」↓(一部)。

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なるほど、ゴッホでもゴーギャンでもない、
独特な筆致である。




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