『いとしきエブリディ』  映画関係

〔映画紹介〕

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イギリスの片田舎、ノーフォークの村。
朝早く起こされた4人の兄妹は、
2人を隣人に預け、
残りの兄弟が母親カレン(シャーリー・ヘンダーソン)に手を引かれて、
バス、長距離列車、市内電車を乗り継ぎ、
たどり着いた所は刑務所。
そこに服役している父親イアン(ジョン・シム)と面会するためだ。

日本の刑務所と違い、
広い会場に家族ごとの面会テーブルが並べられ、
ハグすることもキスすることも出来る。
父親は子供たちの日常を聞き、
教訓をたれ、
何げないやりとりをして
時間が来ると、母子は帰って行く。
後に残されたイアンはベッドに横たわって、
家族との交流を思い出して目をつぶる。

次の時は、姉妹二人。
次の時は・・・
と離ればなれになった家族の
刑務所の面会室での交流が描かれる。
その繰り返しだ。

母親カレンは昼はスーパーで働き、
夜はパブで働く。
寂しさから町の男と関わったりする。

1日保釈日には、
家族揃って町に出かけ、食事をし、
年長の兄に子供たちを任せて、
部屋を借りて夫婦は体を重ね合う。

こうした家族の「失われた日常(エブリディ)」が淡々と描かれていく。

子供には実際の兄妹を起用。
撮影期間は5年に及び、
子供たちの成長をとらえる。
最初、父親との離別の理由が分からなかった子供たちも
次第に父親が犯罪を犯し刑務所に入れられていることを理解するようになる。
また、そのことで学校の子供同士で喧嘩もする。
「大人の事情」も理解するようになる。
こうした「虚構」を理解して演じたとしか思えない
子供たちの「演技」が見事。

何も事件は起こらない。
せいぜい母親の浮気と
所内にハシシを持ち込んだことで
刑務所を移動しなければならないかもしれないということで、
ガラス越しの面会にさせられた時、
母親が「もう耐えられない」と涙を流すことくらい。

こうした描写を通じて、
家族にとって、
普通の日常生活(エブリディ)が
いかに貴重で大切な時間であるか
が伝わって来る。

刑務所を出た父親と
海岸で家族一緒にたわむれる映像が
そのことを雄弁に語る。

観ている間は特に感動するわけではないが、
帰り道、映画のことを思い出して、
胸が熱くなり、
ついつい涙ぐんでしまう

そんな心に残る映画だ。

監督は「日蔭のふたり」や「ひかりのまち」などの名作を撮った
マイケル・ウィンターボトム

原題はただ「Everyday」だが、
邦題は「いとしき」を付け加えることによって
意味が明確になった。
良い題名だ。

5段階評価の「4.5」

0.5点を引いたのは、
ハシシの件と、
出所後の夫婦のいさかいが置き去りにされたため。
ここは、浮気相手のエディと争いになりそうになり、
ここで暴力を振るったら、
また刑務所に逆戻りだ、
家族との平和がまた失われる、
とイアンが自制するくらいの描写があってしかるべきだと思った。

予告編は、↓をクリック。

https://www.youtube.com/watch?v=ta87Avkm0Js&feature=player_embedded

                       
タグ: 映画



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