映画『アンネの日記』  映画関係

〔旧作を観る〕

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今まで観る機会がなかったが、
アムステルダムでアンネ・フランクの家を訪問したこと、
ポーランドでアウシュビッツ強制収容所に行ったことで、
この旧作をツタヤ・ディスカスで申し込み。

監督は、当時一流のジョージ・スティーヴンス
原作はもちろんアンネ・フランクだが、
タイトルを見ると、
脚本のフランセス・グッドリッチ
アルバート・ハケットによる
舞台劇からの映画化であると分かる。
音楽はアルフレッド・ニューマン
撮影はウィリアム・C・メラー

アメリカ公開は1959年3月18日
日本公開は1959年9月8日。
いろいろな映画紹介で上映時間150分とあったが、
実際は179分。
3時間近く、
序曲と終曲が付く大作扱い。

映画は、
1945年、
強制収容所で生き延びたを出たオットー・フランク(ジョゼフ・シルドクラウト)が、
屋根裏部屋のある建物に戻るところから始まる。
留守を守った人物から
娘アンネ(ミリー・パーキンス)の書いた日記を渡される。
日記は1942年7月9日から始まる。

アンネの父オットーはユダヤ人で、
ヒットラーが政権をとると
オランダに亡命。
そのオランダもナチの侵攻を受け、
ユダヤ人狩りが始まる。
アンネ一家は親友のバン夫妻と
息子ピーター(リチャード・ベイマー=「ウエストサイド物語」のトニー)と共に、
隠れ家生活を始める。
その後、デュッセルというユダヤ人歯医者が加わり、
8人の共同生活だ。

階下は香味料工場で、
朝8時半から夕方5時半までは工場で働く人がいる。
一家は朝8時から6時までは、
靴を脱ぎ、言葉を交わさず、
トイレの水も流さない生活を強いられる。
配給券は3人分しかなく、
3人分の食糧を8人で分ける生活だ。

映画は、
ほとんど室内で、
8人の生活が描かれる。
食べ物の分け方で争いあったり、
ピーターのことで姉妹が嫉妬しあったり・・・
ユダヤ伝統のハヌカの祭の祝いで
聖書を朗読するシーンなど胸を打つ。
それに続く、階下の事務室への泥棒の侵入・・・
夜警にみつけられて
ナチの軍人が隠れ家近くまで迫る緊張感。
また、同居の父親が空腹に耐えかねてパンを盗む挿話も哀れだ。

ラジオで伝わる戦況が一家の希望となり、
ノルマンディー上陸作戦の成功に歓喜する。
しかし、泥棒の密告で、
ある日、親衛隊が隠れ家に訪れて来る。
オットーは、
静かに身支度を始め、
「2年間おびえて暮らした。
今から希望に生きよう」
と言う。

この摘発シーンは、
8人の様子だけを描いて、
見事な描写だ。

最後にアンネは、日記にこう記す。

「隠れ家の暮らしも終わりのようです。
荷造りの時間はわずか。
許された荷物は、カバン一つと
それに入る衣類だけです。
だから、日記さん、
あなたを連れて行けません。
しばしお別れね。
追伸:どなたか存じませんが、
この日記を見つけたら、
どうか大切に保管して下さい。
もしかしたら」


ここで日記は終わったことになっている。
(実際の日記にこういう終わり方ではない)

共同生活する中、
アンネとピーターに恋心が芽生える。
二人が天窓から外を見ながら交わす会話が切ない。

「私、閉じ込められて、
初めて自然の素晴らしさを知ったわ」

「信仰があればいいのよ。
天国や地獄を信じろとか
普通の宗教のことじゃないの。
ただの信仰。
何でもいい、
ただ何かを信じるの」

私たちだけじゃないわ。
昔からいろんな民族が
苦しい目にあってきたわ。
こんな恐ろしい世の中で
何かを信じるのは難しいわ。
でも、私は思うの。
今に世界も変わるわ。
何百年と待たなくても
いつかこんな時代は終わる。
こんな世の中でも
私は信じている。
人間は本来は善なのだと」

生き延びたオットーは、
家族の生還に希望を託するが、
妻も死に、アンネの姉も死に、
アンネもなくなったことを昨日知ったという。
そして、日記を開いたオットーは、
「こんな世の中でも
私は信じている。
人間は本来は善なのだと」

という下りを読み、
「何という子だ」
とつぶやいて映画は終わる。

普通の幸福を望めるはずの家族が
戦争の狂気に蹂躙されて
幸福を奪われる状況に陥る姿を描いて、
涙なしには見られない作品である。

アンネを演ずるミリー・パーキンスが清楚。
父オットー役のジョゼフ・シルドクラウトが素晴らしい。
音楽のアレフレッド・ニューマンもいい。

1959年アカデミー賞で、
作品賞・監督賞・助演男優賞(エド・ウィン)・
助演女優賞(シェリー・ウィンタース)・
撮影賞(白黒)・美術装置賞(白黒)・
衣裳デザイン賞(白黒)・音楽賞
の8部門にノミネート。
うち、助演女優賞・撮影賞(白黒)・美術装置賞(白黒)の3部門を受賞。
当時は白黒からカラーへの移行期であったため、
撮影賞、美術装置賞、衣裳デザイン賞は
カラーと白黒で部門が分かれていた。


4月の旅行で、
アイネ・フランクの家を訪ねた時のことは、↓をクリック。

http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20130519/archive

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タグ: 映画



2013/6/2  23:11

投稿者:米村

ご無沙汰しています、米村です。
退職されてから1年経つんですねぇ〜。その1年の内2回組合の方に行かせていただきました。渋谷さんにはお世話になっています。
これからも「お肉応援隊」の活動は続けて行きます!
ところで、大野谷さんのブログはちょくちょく見せていただいて、自分も世界旅行をしているような気分にさせていただいていました。いつもは読ませていただいているだけで、満足していたのですが、5月31日のブログを読んで、あと半年ほどで生活そのものを変えられるという事で、いったいこれからどこに向かって行かれるのか?とても興味があるのでお尋ねしようと思い、メールしました。さて、ひょっとしたらこれからいよいよ小説家の道を進まれるのですか?もしそうだとしたら、作品を楽しみにお待ちしています!

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