『ふくわらい』  書籍関係

〔書籍紹介〕

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先の直木賞候補作

鳴木戸定(なるきどさだ)という編集者が主人公。
マルキ・ド・サドにちなんで父親が付けた名前だ。
父親は有名な紀行作家。
小学校の時から娘の定を旅行に同行させ、
世界の奇行や風習に染まらせた。
ある時は、死者の焼けた人肉を食べさせられたこともある。
父親はアマゾンで鰐に食いつかれて死に、
その火葬でも、定は父親の肉を食っている。

ふくわらいというのは、
定が子供時代に病的にとりつかれた遊びで、
定は人の顔を見ると、
そのパーツを移動したり、入れ替えたり、加工したりする癖を持っている。

定が担当する作家の描写が素晴らしい。
天候次第で作品に影響し、
定に雨乞いを頼む作家。
既に死んだ作家の妻で、
後述筆記をしていたが、
夫の死後、代筆をし続けた人。
特殊な文章世界を持つプロレスラー。
試合の影響で、
目が下を向き、
鼻がひっまがっているレスラーの顔を定は愛する。
そして、作家ではないが、
町で知り合ったイタリア人とのハーフの盲目の青年。

こうした登場人物が実に魅力的に描かれている。
父親と母親も定の乳母の女性とのかかわりも引きつけられる。

背景にそこはかとないユーモアが流れており、それも魅力の一つ。
確実な小説世界を構築する力があり、
遠からず直木賞を受賞するだろう。






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