『新月譚』  書籍関係

〔書籍紹介〕

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さきの直木賞候補作の一つ。

ある出版社の編集者が、
「伝説のベストセラー作家」を訪ねる。
咲良怜花という美貌の女流作家は、
高校時代に彼が夢中になって読んだ作家だが、
49歳の時に絶筆宣言をしてしまう。
彼はその時、読書仲間の友人に
「編集者になって咲良怜花に会う。
それで、絶筆の理由を訊いてみる。
できることなら、新作を書いてもらう。
それがおれの夢だ」
と宣言する。
編集者になった彼は、
勇気を出して怜花を訪ねる。
あまりの美しさに呆然とする彼に、
怜花は「整形したのだ」とこともなげに秘密をばらす。
「覚悟をみせてちょうだい」と本気度を試された彼は、
試練に打ち勝ち、怜花本人から
絶筆に至る経過を聞き出すことに成功する。

というのがプロローグで、
ここから怜花の半生が語られる。

怜花の本名は後藤和子といい、
整形前の容姿に自信のない一人のOLでしかなかった。
前の会社を辞め、再就職した小さな貿易会社で、
和子はそこの社長である木之内と親密な関係になる。
木之内との関係に疲れた和子は
親友にも裏切られ、
整形することを決心する。
美人になったことが環境は劇的に変わったが、
周囲となじめない和子は小説を書き始める。
新人賞を取った和子は
木之内にほめられたくて創作に没頭する。
ペンネームも咲良怜花に変えた。
かつての後藤和子だと知る人はいない。
虚構の名前と偽りの容姿で生きていく。
そして・・・

というわけで、
私にとっては興味津々な題材。                         
ページをめくる時間が惜しいほどのめりこんで読んだ。

初め凡庸な作品しか書けなかった 
怜花はあることがきっかけで、
凄味のある作品を書けるようになる。
文学賞ももらった。
そんな時、木之内の周辺にも変化が起きて・・・

途中まで行って、
残りのページ数の少なさにいぶかしんだ。
この残りの枚数で、
絶筆宣言に至る経緯が書かれるのか?

予感は的中。
絶筆に至る過程は納得できない。
こんなもの乗り越えるのが小説家の因果というものではないか。

というわけで、
直木賞の選考委員からも
反発を食らって落選。

でも、読物としては面白い。
特に、本物の自分と虚構の自分の両方を知っている
木之内との関係性は興味深かった。





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