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ドラマ『ザ・クラウン シーズン2』  映画関係

[ドラマ紹介]
                          
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シーズン1を紹介したのが、
昨年の6月7日ですから、↓

http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20200607/archive

1年以上経ってのシーズン2。
その間に娘はシーズン4まで到達し、
すっかりイギリス王室に詳しくなってしまいました。

なにしろ、一シーズン分を観るのに10時間近くかかり、
かなり密度の濃い内容ですから、
おいそれと手を付けるわけにはいかず、
こんなに間があいてしまいました。

シーズン2は、
2017年12月8日から配信開始で、
エリザベス女王の1956年から1963年までの
およそ7年間
を描く。

第1話 誤算 

フィリップは、男だらけの海軍の船で
女王の名代としてイギリス連邦歴訪の旅に出る。
1956年、
エジプトはスエズ運河の権利を英仏から奪って国有化を宣言、
イギリスはフランス、イスラエルと組んでエジプトに侵攻する。
首相のイーデンは苦悩する。

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第2話 男の世界

エジプトに戦争を仕掛けたイギリスは
国際社会の批判を受けて撤退を余儀なくされる。
イーデンは体調を崩し、静養する。
フィリップはメルボルンオリンピックの開会宣言など公務をこなす。
一方、フィリップの親友で秘書官の
マイク・パーカーの妻は離婚を申し出る。
そんな中、エリザベスはクリスマス・スピーチで好評を博する。

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第3話 リスボン

イーデンは辞職し、
マクミランが後継首相となる。
外遊中の女性関係で妻に離婚されたマイク・パーカーは
王配付秘書官を辞職する。
外遊中の女性関係の話はエリザベスにも伝わる。
二人の不和の噂を抑えるため、
エリザベスはリスボンまで出かけてフィリップを迎えるが、
フィリップの王室内での処遇に対する不満は減じることなく、
エリザベスはフィリップに英国王子の称号を与える。

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第4話 2人だけの秘密

エリザベスとフィリップは結婚10周年を迎える。
ソ連は人類初の人工衛星スプートニクの打ち上げに成功し、
傷心のアメリカにイギリスは協力する。
マクミランは妻の不倫に悩む。
マーガレットは写真家アンソニーと出会う。

第5話 操り人形

エリザベスは訪問先の自動車工場で、
労働者を見下すスピーチを読んでしまう。
それは時代遅れの主席秘書官
マーティン・エイディーンの書いたものだった。
その内容を男爵でありジャーナリストでもある
オルトリナム卿により、雑誌で批判される。
「貴族が女王を批判」と話題になり、
テレビ番組でももてはやされる。
世界は君主制から共和制に移行しており、
君主制の危機を告げるもので、
「服従の時代は終った。あとは平等だ」と。
エリザベスはオルトリナムと秘密の会見をし、
6箇条にわたる提案をされる。
会見は秘密にされたが、
その結果、1958年、バッキンガム宮殿が
一般市民に公開される。
それを見ていた皇太后が言う。
「こうして次第に知らないうちに消えていくの。
私たちの権威が、絶対制が、神聖な王権が」
「この国の君主制は屈辱と犠牲と譲歩に耐えぬいて
どうにかここまで続いて来た。
最初の敵は諸公、次に商人、今度はジャーナリスト。
私たちが儀礼や先例に固執するのも無理のないことよ。
もうそれしか残っていないんだもの。
徐々に力を失い、何者でもなくなる。
操り人形よ」

オルトナリムの提案は
最終的に大半が実行に移された。
宮殿は後に
20世紀の君主制を救ったのは、彼だと認めた。
1963年、オルトリナムは称号を放棄し、平民となった。

第6話 暴かれし過去

パリで退屈な生活を送る伯父ウィンザー公
母国に帰郷し公職を要求する。
キリスト教徒として、伯父に赦しを与えたいエリザベスであったが、
秘密文書により、かつてナチスと親密だったことを知り愕然とする。
しかも、ヒトラーとの間に王に復帰する陰謀まであったというのだ。
エリザベスはウィンザー公と対決し、
以後、英国への入国を禁ずる。
退位の時の条件として、
女王の承認がなければ、入国は出来ないのだ。
エリザベスは赦せなかった自分を悔い、
丁度来英していたアメリカの伝道師ビリー・グラハムに相談する。
グラハムは「赦すことの出来ない自分を赦すように」
との言葉を与える。

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第7話 結婚の儀

かつての恋人タウンゼントから、
恋人が出来て結婚する意思を告げる手紙を受け取ったマーガレットは、
写真家アンソニーのプロポーズを受諾する。
しかし、アンソニーは醜聞まみれの人物だった。
エリザベスは第三子(次男)のアンドルー王子を出産し、
マーガレットの結婚を許可し、結婚の儀が行われる。
(のちに二人は離婚)

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第8話 親愛なるケネディ夫人

英国連邦の結束にほころびが生じ、
ガーナは社会主義化し、ソ連に接近していた。
ケネディ米大統領夫妻が来英し
バッキンガム宮殿を表敬訪問し、
人々はファーストレディのジャクリーン夫人に魅了される。
しかし、その後、ジャクリーンが沢山の人との食事の場で、
英国王室と女王をけなしていた(これは事実)という情報が
エリザベスにもたらされる。
エリザベスはライバル意識に目覚め、
政府の反対を押し切ってガーナを急遽訪問し、
大統領とダンスまで踊って(これも事実)、
イギリス連邦離脱とソ連共産圏への接近を食い止める。

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翌年、ジャクリーンはエリザベスを訪ね(これも事実)、
自分の発言は薬物影響下にあったと告白して謝罪する。
このくだりでケネディ大統領はクソ男と描写される。
そして、ケネディ暗殺の後、
エリザベスは王室の慣例を破って、
王族が死去した際にのみ鳴らす
ウェストミンスター寺院の鐘を
異例で鳴らすよう命じ、哀悼の意を示す。

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第9話 父として

エリザベスは息子のチャールズをイートン校に入れようとするが、
フィリップはスコットランドの
ゴードンストウンに通わせることにこだわる。
そこはフィリップの母校であり、
ドイツからやって来たフィリップの思い出が染み込んでいた。
しかし、その記憶は、いじめを含むもので、
姉の飛行機事故など、苦渋に満ちたものだった。
内気なチャールズはゴードンストウンに馴染めず、
耐久レースに失敗し、フィリップを怒らせる。
イートンへの移籍を主張するエリザベスに
離婚を持ち出して脅迫するフィリップだった。

第10話 謎の男

エリザベスが妊娠して体調が思わしくない中、
プロヒューモ事件が起きる。
これは、1962年、
マクミラン政権の陸相であったジョン・プロヒューモが、
ソ連側のスパイとも親交があったモデル兼売春婦に
国家機密を漏らした事件。
マクミラン政権の崩壊につながり、
「20世紀最大の英政界スキャンダル」とされる。
この事件の関係者の一人、整骨医のウォードから
フィリップは治療を受けていたため、
フィリップの関与も疑われる。
ある写真に写った後姿の「謎の男」ではないかと。
マクミランは辞職し、
エリザベスは「政治家というのは、簡単に仕事を放り出すのね」と言う。
王冠を放り出せない自分との比較だろう。
エリザベスはフィリップに疑惑をぶつけ、和解する。
1963年、エリザベスは第4子(三男)のエドワード王子を出産する。

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という7年間。
エリザベスとフィリップの結婚生活が
かならずしも円満なものではなかったことが随所に現れる。
しかも、放送当時、エリザベスもフィリップも存命。
イギリス映画制作陣の決意と志がうかがえる。
なにしろ、フィリップは、女王の陰に隠れた鬱憤を抱く、
クソ男として描かれているのだ。
日常生活のエリザベスがカーディガン姿でいる光景も見ることが出来る。
一人でバラの剪定をしていたりする。
王族も辛いな、という印象。
特に第5話は、
日本の「開かれた皇室」にも繋がる、皮肉に満ちた内容。

シーズン1でも書いたが、
英国演劇俳優の層の厚さと底力を感じさせる。
と共に、脚本、演出、美術全てが素晴らしく
ドラマ史上燦然と輝く。

シーズン2は、エミー賞において
ドラマ部門監督賞、ドラマ部門主演女優賞、
歴史ドラマ部門衣装賞、歴史ドラマ部門キャスティング賞、
1 時間のシングルカメラ部門撮影賞を受賞した。

シーズン3からは俳優が一変。
エャザベス役は、
クレア・フォイからオリヴィア・コールマンに引き継がれる。

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タグ: 映画

G7の成果、その他  政治関係

英国コーンウォールで行われた主要7カ国首脳会議(G7)で、

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菅首相は
@対中国の危機意識を欧米各国と共有、                      
A東京オリンピック・パラリンピックについて支持を取り付け、
B日本が主導したワクチンサミットの成功と10億ドルの支援をアピール
し、
まずまずの成果をあげたと見られる。

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写真撮影の前後↑で「ひとりぼっち」だった、
などと揶揄されたが、
初参加で顔見知りもなく、
英語も達者でないので、
当然と言えば当然。
そういう非難は意地悪というものだ。
安倍前首相のような人は特別で、
歴代の首相はみんな同じようなものだった。

ただ、会議の場で、言うべきことを言い、
宣言にも反映させたのだから、
使命は果たしたと言えるだろう。
特に、東京オリッピックへの
各国首脳の支持を取り付けたのが大きい。

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ところで、今回、
オーストラリア、インド、韓国が
ゲストとして招待されていた。
これは主催国である英国の意向。

菅首相は韓国の文在寅大統領と顔を合わせる機会が2度あり、
1度目は、12日午後に主催国の公式歓迎式が開かれ、
会議が開かれる前の合間を利用して、
文氏は菅首相に近づき、「お会いできて嬉しいです」と挨拶した。
その後は略式会談に至らず、接触は約1分で終わってしまった。
2度目は、バーベキュー形式で行われた晩餐会で、
文氏は再び菅首相に近づいて挨拶。
菅首相も挨拶を返しただけで、会談には応じなかった。
菅首相は「同じ会場にいてあいさつに来られた。
失礼のないようにあいさつした」

と述べている。
挨拶されたのだから、挨拶を返す、当たり前のことだ。
相手の握手を払いのけるのはプロレスのパフォーマンスだけだ。

多数が集まる場で、
AさんがBさんに挨拶する、というのは、
普通、Aさんが下手(したて)の場合。
上の立場のBさんから挨拶に向かうことはない。

そういう意味で、
文氏はサミットの場で日本にすり寄る姿勢を見せた。
その後、文氏はフェイスブックに
「菅首相と初対面するのは韓日関係において
新たなスタートを切る貴重な時間だったが、
会談につながらなかったことを残念に思う」

と投稿した。
会談したかった、と述べているのだ。

これについて、
韓国の外交部当局者は日韓が、
G7を契機に首脳会談を開く予定だったが、
日本側が竹島防衛訓練を理由に一方的に取り消した、
と主張した。
つまり、会談の機会を日本がキャンセル、日本の責任、というのだ。
しかし、日本政府はこうした主張を
「事実ではない」との立場を示している。
加藤勝信官房長官は14日午後の定例記者会見で、
「事実に反するのみならず、
一方的な発信は極めて遺憾であり、
直ちに韓国側に抗議した」
と述べた。

そもそも、
菅首相は、現地で記者から
韓国との首脳会談の開催について問われると、
「労働者問題と慰安婦の問題は国と国との約束だ。
その国と国との約束が守られていない状況の中で、
(会談を開くような)環境にない。
韓国が(問題解決のための)方向性を示すべきだ。
文大統領が指導力を発揮して問題をしっかり片付けてほしい」

と述べている。
つまり、会談が成立する環境など元々なかったのだ。
これについては、また韓国側が虚偽を述べているといえよう。
はっきり言って、嘘付きだ。

伝え聞くところでは、
文大統領は略式会談を通じて、
東京五輪開幕式などに出席する考えを伝え、
関係回復の糸口を見出そうとしたのだという。

前述の3カ国を加えて、
G7をG10に拡大しよう、という意見もあるようだが、
G20が多すぎて、明確なことが決められない現状を見ると、
いたずらに拡大するのはマイナスが大きい。
ドイツも反対している。
もしそれを審議する場があったら、
日本の首相は、
「国と国の約束を守らない国の参加はいかがなものか」
と主張したらいい。

ついでに、政界に起こった不思議な事件を2つ。

刑法で性行為が一律禁止されている男女の年齢を
現行の「13歳未満」から
「16歳未満」に引き上げることを議論する立憲民主党の
「性犯罪刑法改正に関するワーキングチーム」で、
出席議員が成人と中学生の性行為を肯定する発言を
繰り返していたことが分かった。
複数の関係者によると、5月10日に開かれたワーキングチームで、
ある議員が
「例えば50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、
たとえ同意があっても捕まることになる。
それはおかしい」

と発言したという。
同月下旬のワーキングチームでも、
「12歳と20歳代でも真剣な恋愛がある」
「日本の『性交同意年齢』は他国と比べて低くない」

との趣旨の意見を述べたという。

「例えば50歳近くの自分と」という発言から、
当該議員は、40代後半と思われ、
誰かと憶測が巡ったが、
やがて本人が申し出た。
本多平直衆院議員↓(比例北海道ブロック選出)で、
なんと56歳。

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本人は発言を撤回したが、
立憲民主党の幹部から「厳重注意」を受けたという。
ただし、口頭で。

この立憲民主党の対応にも批判が集まった。
もし、この発言が自民党の議員だったら、
大騒ぎして、国会で問題にしただろう。
外に厳しく、内に甘い体質

この議員の発言は理論リクツだけで、
しかも、「自分が」と言っているところを見ると、
14歳の少女と性交したい願望があると思われても不思議はない。
ヘンな議員がいるものである。

次は、立憲民主党の森裕子副代表↓(65)。

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11日の参議院拉致問題特別委員会で
「北朝鮮にワクチン提供したらどうか」
と提案。
「北朝鮮に対して人道支援ということで提供するということはいかがですか」と。
茂木敏充外務相は
「北朝鮮自身はコロナの感染者は出ていないと言っている。
ワクチンが欲しいと国際社会に示していない中で、
どうするかという対応になる」

と答えた。

ネット上では森氏に対して
「バカな議員だな、
北朝鮮が拉致被害者の解放にワクチン外交など通用しないし、
するわけがない」
「北朝鮮は新型コロナウイルス感染症の査察を拒否している。
拉致被害者の救出について確証ない。
思いつきを言うだけの国会議員だ」

と批判の書き込みがされている。

本多議員といい、森議員といい、
これが国会議員か、と思うような、おかしな人物
選挙区の人たちは、
よく考えて次の選挙に対応しよう。

ところで、13日付の産経新聞に
「ありがとう日本!」と題した2枚の全面広告が掲載された。↓

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新型コロナウイルスワクチン124万回分を台湾に無償提供した
日本政府と国民に対し、感謝の気持ちを伝えるため、
約130の台湾系企業、団体などが共同出資して掲載されたもの。

暖かい気持ちになる広告だ。

北朝鮮にワクチンを提供しても、
感謝の言葉は永遠に聞けないだろう。

もう一つ。
韓国のソウル中央地裁は7日、
元徴用工や遺族85人が新日鉄住金など日本企業16社を相手取って
賠償を求めた訴訟で、原告の訴えを却下した。
2018年に出た最高裁判決を否定する内容だ。
判決は原告の賠償請求権について、
請求権問題が「完全かつ最終的に解決された」と明記した
1965年の日韓請求権協定の適用対象となると指摘。
「個人請求権の完全な消滅とまでは言えなくても、
日本や日本国民を相手に訴訟で権利を行使することは制限される」

と述べた。
しかも、日本が日韓請求権・経済協力協定に基づいて提供した
計5億ドル(無償3億ドル、借款2億ドル)の支援について、
「『漢江の奇跡』と評される輝かしい経済成長に寄与した」
ことまで言及した。

我々からすれば当然の判決で、
「ようやく韓国も目が醒めたか」
と思うが、
世論は裁判長を弾劾する動きが進んでいるという。
まだ狂っているのは終らない。

元慰安婦らが日本政府を相手に提起した二例目の損害賠償訴訟で、
韓国の裁判所が、「主権免除(国家免除)」を認め、
元慰安婦側の賠償請求を却下した。
一例目とは異なる真逆の判断
韓国の司法が揺れている

文氏の大統領としての任期が間もなく切れるが、
この人は5年間に何の成果もあげていない
目玉の北朝鮮との融和も相手にされず、
日本との関係を悪化させ、
内政でも全く失政の連続だ。
まさに「史上最悪の大統領」で終るだろう。


小説『沈黙の終わり』  書籍関係

[書籍紹介]

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元読売新聞記者である堂場瞬一による記者小説。

松島慶太は、東日新聞のベテラン記者。
編集委員まで登り詰めたが、
59歳で定年間近のため、
シニア記者を目指して
柏支局長に転属した。
柏支局は記者2人のミニ支局だ。
実は最近、胃ガンが発見され、手術を受け、
完治したはずだが、体調はすぐれない。
管轄の野田署の署長の小野と面談中に、
事件の知らせが入る。
7歳の女の子が行方不明になり、
死体で発見されたのだ。

一方、古山孝弘は埼玉支局のキャップ。
近く本社に異動で、その準備をしている。
野田の事件の知らせを受けて、
4年前の小学生の女児・8歳の行方不明事件を思い出す。
野田の事件とは江戸川を鋏んで500m。
二つの事件は同一犯によるものではないか、
との直感が働く。

古山から連絡を受けた松島は、
もっと古い事件を思い出す。
33年前、流山で7歳の女の子が殺された事件だ。
犯人が分からないまま時効になった。

古山が4年前の事件の再取材を始めると、
県警の一課長から呼び出される。
取材を控えてくれという話なのだ。
古山は、警察には取材されると都合の悪い事実があるのだと思う。
たとえば、犯人が警察官だった場合、
あるいは、有力な容疑者が死んでしまった場合・・・
古山はデータベースを探り、
「小学生」「行方不明」「殺人」をキーワードに検索をかけ、
驚くような事実にぶつかる。
江戸川を鋏んだ埼玉県と千葉県で、
女児の殺人事件と行方不明事件が7件頻発していたのだ。
     
野田の方にも、新聞社の上層部から
取材を控えるようにという圧力がかかる。

さらに探索を続けると、
いくつかの女児行方不明事件で
捜索を真面目にやらないように、
という指示が警察内で出ていた気配があった。
どこか高いレベルで捜索を抑制させる動きがあったのだ。
33年前の時も、
ある時点から捜査が軟化していた。
ある人物によって。

古山は松島と協力して、
女児連続殺人・行方不明事件についての記事を書いた。
それが警察内部にも波紋が広がっていく。
そうした中、野田署長の小野が自殺した・・・

というわけで、33年前の事件を起点にして
複数の事件の関連が探られる。
その背景には、
もし33年前の事件で犯人が逮捕されていたなら、
その後の犠牲者が出なかったのではないか、との思いがあった。
また、記者の側からは、これらの事件が
後任者に正しく継承されていなかったのではないか、
との反省もある。

また、元警察官で覆面小説家に転身した女性や
現役警察官の告発などを含めて、
事件の背後にいる人物に次第に迫っていく。
その人物とは、権力の中枢にいる男だった・・・

実に面白い。
過去の事件と今の事件が有機的につながる構成の巧みさ。

ただ、終盤、事件の鍵を握る二人の人物
松島らが対決する場面は、
少々現実味に欠ける。
あんな会話をするわけがない。
もう一工夫必要だったのではないか。
肝心な点なので残念。

記者経験を生かした堂場瞬一の
記者魂に対する熱い思いがあふれる。
また、退職した記者の老後も描かれる。
松島らが取材で得たある人物の名前が
別な人物への取材で合致するあたりはスリリング。
ページを繰って名前を確認してしまった。
また、新聞社と権力の癒着も容赦なく描かれる。

堂場瞬一作家デビュー20周年の上下巻書き下ろし作品。
堪能した。


映画『1922』  映画関係

[映画紹介]

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スティーヴン・キング原作のスリラー。
Netflixオリジナルで2017年に配信。
日本未公開。

舞台はタイトル通り、1922年のアメリカ
ネブラスカ州の農夫ウィルフレッド・ジェームズは、
妻アルレットと14歳の息子ヘンリーと慎ましく暮らしていた。
しかし、土地を巡り、妻との間に隙間風が吹き始めていた。
というのは、田舎暮らしに嫌気がさした妻が
相続した100エーカーの土地を売却し、
田舎から都会に出て暮らしたいと主張し、
オマハでドレス店を開くことを夢見ているからだ。
「男の誇りは、土地と息子」というのが信条の
ウィルフレッドにとっては、
土地は命の次に大切なものだ。
ウィルフレッドはアルレットを説得するが、
彼女は聞く耳を持たず、
次第にウィルフレッドは妻に対して憎しみを抱くようになる。

年頃の息子ヘンリーは
隣家の娘シャノンと恋に落ちてしまった。
ウィルフレッドはそんなヘンリーの純な恋心と欲望に目をつけ、
「母ちゃんの言う通りに都会へ行けば、
彼女とも離れ離れ。
それでいいのか?」
と問いかける。
ついに、妻を殺そうと結託した父子は
アルレットの殺害を決行。

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敷地内にある古井戸に投げ込んでしまい、
その上に飼ってた牛を突き落とす。
「井戸に牛が誤って落下してしまい
引き上げる手段もないので撃ち殺した。
そして埋めた」
とし、同時に土で埋めることによって死臭も隠せる。
そして、突然妻が家を出て行ってしまった、と主張するが、
売却の相談を受けていた弁護士事務所は不審を抱く。
土地と家を売れば大金が入ってくるのに、
売却する前日に失踪するなどありえない。
弁護士の依頼で保安官も家に見に来るが、
顔なじみである村の保安官は若干怪しむものの、
それ以上は追究しない。

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しかし、息子は罪悪感を父にぶつけるようになり、
隣の娘シャノンと性交渉をし、
孕ませてしまう。
シャノンが妊娠したことを知った両親は、
一時的に施設に預けて出産し、養子に出すことに決める。
ヘンリーはシャノンを救出し、
逃避行の最中、強盗をくり返す。
こうして、一家の崩壊が始まった・・・

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ウィルフレッドを演じるトーマス・ジェーンは、
キング作品にゆかりのある人で、
これまで「ドリームキャッチャー」(2003年)、「ミスト」(2007年)でも
主演を務めている。
この作品では、狂気に走り、精神が崩壊していく姿を熱演している。

原作は、2010年に出版された
短編集「Full Dark, No Stars 」に収録された一篇。
ウィルフレッドによる手記という形式で書かれている。

キング作品らしく、
主人公を取り巻く状況がていねいに描かれ、
人間の暗部が露呈する時、殺人が起こる。
そして、その後の精神の崩壊が、これまたていねいに描写され、
次第にホラー色を濃くする。
特にネズミの存在が効果的で、
井戸の中の妻の死体を食らうネズミの姿から、
ネズミは罪の象徴として描かれる。
妻の死体の開いた口から出入りするネズミ、
牛の乳首を噛み切るネズミ、
壁の穴から出入りするネズミ。
ウィルフレッドの手を噛み、片腕を失わせしめるネズミ、
踏みつけられる血だらけになるネズミ・・・
撮影ではなんと200匹のネズミが用意されたという。

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隣家の主人は
「今年の始めには俺にもお前にも妻子が居たが
今は誰も居ない、
可笑しいな?
お前に無くて俺にあるのは両手が健在なことだけだ」
と絶望を口にする。
ウィルフレッドの農場も隣家の農場も
失われてしまう。
背景には、変わりゆくアメリカ社会と、
その変化に翻弄される人々の姿がある。
やはりキング作品は一筋縄ではいかない。
ただ、ひたすら暗い
キングファンだけに受け入れられる作品だが、
映画の質は高い。

監督はザック・ヒルディッチ

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/3E_fT0aTsjI

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