快樂浪漫ちっく〜精武門ズ日記・2」へ近々引越し予定です。

 ★武術映画の傑作「精武門」にはまり、このタイトルを付けてみました。
     「精武門ズ」管理人が作った「精武門」関連作品のみ紹介しているHPです。気が向いたらど〜ぞ。

花様年華  日記

現在、広東語を勉強中。
王家衛(ウォン・カーワイ)監督の「花様年華」をテキストにしている。

この作品のストーリーは、隣同士に住む夫と妻が不倫をしていることに気がついた伴侶の夫と妻が伴侶の不倫を確かめていくうちに次第に惹かれていくというもの。

お互いの伴侶同士の不倫に気がついた二人は自分たちはお互いの伴侶のような関係にならないということを合言葉のようにして、逢瀬を重ね、次第に惹かれあっていることを悟られないように、お互いの伴侶について語り、不倫を暴くためのシミュレーションを繰り返す。

主人公の二人は、お互いの伴侶の裏切りに打ちのめされ、その代償のように惹かれていくことに抵抗感を感じているようにもみえる。やや優柔不断な二人のやりとりは切なく、しかし何となくおかしい。テキストでじっくり一つ一つのシーンをセリフを追いながらみていると・・これは冗談、あるいはお笑いで作った作品かもと思ってしまうのである。

例えば、張曼玉(マギー)が演じる蘇麗珍が梁朝偉(トニー)演じる周慕雲相手に、夫に不倫の事実を確認する練習をするシーンがある。2回繰り返し悲しい気持になってしまう蘇麗珍なのだが・・そんな二人のシミュレーションが随所に散りばめられていて・・二人の微妙な関係を表現しているのか?それとも観客を笑わそうとしているのか?と考えてしまう。

また、お互いの伴侶が不倫していることを確かめるシーンは、香港の有名なステーキハウスで撮影されたものということだが、蘇麗珍は周慕雲の妻の好物を注文し、周慕雲は蘇麗珍の夫の好物を注文するのだが、彼女のステーキは分厚いビーフステーキであり彼のステーキは小さなポークステーキ(にみえる)だ。それを黙々と食べる二人。この注文した品がなんともアンバランスで彼らの伴侶の好みを反映しているようにも見えるのだが、そのアンバランスさが可笑しい。

そして次第に同じ建物に住んでいる住人達の噂になる二人。しかし彼らの主張は自分たちは不倫もしていない、自分たちの伴侶のような関係ではないのに・・・とため息をつき、そしてお互いを見つめる。あまりに不自然だが、まるで何もないのが二人で会うことの切り札のようにも見えてくる。

物語はクライマックスを迎え、蘇麗珍の夫が帰ってきたシーンをシミュレーションした二人はお互いが自分たちにとって大きな存在になったことに気づく。

そして、蘇麗珍はタクシーの中で周慕雲に「我今晩唔想返屋企呀」とつぶやく。おそらくここで二人は、会う口実の切り札を亡くしたに違いないと想像する。

シーンは変わり、周慕雲は心機一転シンガポールに仕事を求め、蘇麗珍を誘ったものの次のシーンでは友人と二人で話している。

心に秘密をもった人間は山の上の木の穴に秘密を打ち明けると友人に語る。彼には言えない秘密があるのだ。

しかし、個人的には彼は言えない秘密を持っているのではなく言いたくない秘密を持っているような気がしてくる。なので監督は周慕雲視線で彼の言いたくないこと、例えば二人が一線を越えてしまったかもしれない事などはすべてカットしたのではないだろうかと邪推してしまう。

言えない秘密と言いたくない秘密。この違いはなんだろう?
言いたくない秘密を言えない秘密にすると甘美な香りがする。そしてとても切ない。そんなやや妄想的な思い出の世界に浸りつつ美しい幻想に生きる周慕雲の姿は次の王家衛作品「2046」へと続く。

もしかすると最初は伴侶の不倫に悩む男女のパロディ作品を作りたかったのではないかと思わせるほど観れば観るほど最初の印象と違ってくる「花様年華」。やはり傑作である。


花様年華(2000) - goo 映画


■公式サイト
http://www.wkw-inthemoodforlove.com/jap/homepg/homepg.asp

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