《これまで発表した短編が数々の映画賞に輝いている熊谷まどか監督の長編デビュー作。幻覚や幻視といった症状が出るレビー小体型認知症という病気をモチーフに、仕事と介護の板挟みに悩む女性の心情を描く。主演を務めるのは『櫻の園』のつみきみほ。介護という重くなりがちなテーマを独特のユーモア溢れるドラマに仕立てた熊谷監督の手腕が光る。》
予告編で“レビー小体型認知症”というものを知って、その症状が実家の母と被るところがあるので興味津々で観てみたけど、思っていたより軽やかというか、介護や闘病ものというより、母と娘のやりとりの中で肩の力を抜いてもよいと背中を押してくれるような温かさのある作品だった、娘が女優という設定も効果的だったかも!
田島令子さんが認知症を発症した母親を好演、普通なら深刻になりそうなのに、ちょっととぼけた中にも品の良さがあってチャーミングだった。
余談だけど、娘役のつみきみほさんが未だに吉川晃司くんの映画でデビューした頃のボーイッシュな姿が目に焼き付いているので、介護の心配をする娘役を演じる年になったと思うと改めて感慨深いものがあった。
あらすじ
日の目をみない女優レイコの元に、かつての仕事仲間で人気俳優の三田の紹介で映画出演の話が舞い込む。キャリア最大のチャンスと思われるこの話に喜ぶレイコだったが、時を同じくして母が認知症を発症する。仕事と親の介護との間で、レイコは選択を迫られる。
84分
監督
熊谷まどか
出演
つみきみほ
田島令子
眞島秀和
木乃江祐希
有楽町スバル座14:35〜観客30人程/270席


0