■ワーズ・ワースの放課後U/杉原智則/瑚澄遊智/電撃文庫
電撃です。
いや、まさに電撃的な内容でした。
すくなくとも僕にとっては。
おもしろかったです。
いろんなことが、というか、小さな時の暗い思い出?悲しい事故がきっかけだったんですねえ。
最近のその中のおもしろくないところが作品世界に反映されているようで、最後ころはちょっと切ない感じでした。
答えは1巻の途中からおぼろげにわかるようにしてあったのですが、それでもなかなか頭の中で整理することができません。
答えがわかりかけているんだけど、言葉にするところまではいってない状態。
なので、先を読みたくって読みたくって!
夢の世界での誰が現実の誰と対応しているかっていうのは、これが単純ではないのです。
誠くんとマコト王子の関係は、入れ替わっているかもということに途中で気が付いたんですが、これが単純ではないのでね。。。
あいつがそうだろう、と思っていたら実はアレ?俺かっ!?、、、って、ねえ。
始まりの人々。
これは本来、お母さんが作った物語の登場人物ではない、ということですね。
逃げ込んだ人たちがそう呼ばれていた、ということなのでしょう。
また、夢の中での冒険物語がおもしろいので、2重の楽しみがある感じですね。
こっちは最後の最後でどんでん返しがありましたしねえ。
途中まではドキドキの冒険ものですが、うまく夢の答えとつながって、一気に解放された感じですよ、最後は。
夢の世界は、他人とつながっているような設定なんですね。
関連がある人たちの、というか頭の中(心の中)に同じものを描いている人たちとはつながっている、ということでしょうか。
現実の世界での誠くんのお母さんの言動や、幼なじみ神谷くんと智子ちゃん。
夢の世界で聞こえてくる、もうひとりのぼく声(=本当の誠くん)。
夢の世界の登場人物のひとりひとりの言動のその存在の意味など、いつのまにか本当の誠くんは考えて答えを見つけたのでしょう。
そしていつまでも逃げてないで、現実の世界に戻りたいと願ったのでしょうね。
その気持ちは最初からあったのかもしれませんが、思春期により強くはっきりとしたので、もうひとりの自分(マコト)に呼びかけて、世界を直そうとしたということなんでしょう。
智子ちゃんを好きだという気持ちが強くなってきたことが大きな原因かもしれません。
いえ、本当の誠くんが智子ちゃんを好きかどうかは明らかにされていませんね。
サキを指名していたわけだから、サキ自身のことが好きだったのかもしれません。
その後、お母さんも神谷くんも起きたみたいですし、みんなそれぞれブランクはあるので元通りとはいかないエンディングも後を惹かれていいな、と思いました。
神谷くんは夢の中での出来事を覚えているんでしょうか。
いつか智子ちゃんにも話してあげて、お母さんにはまた別のお話を考えたりしてほしいかな。

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