■轟世剣ダイ・ソード/長谷川裕一/コミックコンプ、キャプテンコミック
ひまつぶしに読んでみたんですが。
いや、なかなかよい冒険ファアンタジー活劇学園恋愛ヒーローものですね!
異世界へ学校ごと召喚されて、よくわからない闘いへ巻き込まれたオウタをはじめとする少年少女たちが・・・
みたいな、まあよくあるやつです。
こどもたちだけで異世界を戦い抜いてかえってくる。
でも、その表情とか長短のストーリーや、ひとりひとりの内面など、すごく丁寧でまるで自分がその世界のなかにいっしょにいるようです。
神と自称している者と、そいつが創ったという7つの強大な武器。
その武器たちが敵味方に分かれて、人間たちを巻き込んで戦っているのですが、そこに召喚された生徒たちがさらに巻き込まれていくんですが。
その生徒会長がとてもいいキャラですね。
この人のおかげでみんなが生き残れたんだと思います。
戦っていくうえで生徒たちは喧嘩もするし意見もわかれるのですが、基本的にはみんな「元の世界に帰るため」1つにまとまります。
男子女子の仲は悪くはないけどよくはなく、といったところですが、助けてもらったり協力したりして、とてもよい関係です。
オウタが1人で戦うわけでもなく、センスのある生徒は異世界なので魔法を使えたりするし、また頭を使い、武力を使い、いろんな要素でいろんな人が活躍するのもよいです。
そしてなんといっても武器の1つであるダイ・ソードと主人公オウタの関係がよいですね。
最初はただ武器として力を借りるオウタですが、武器にしては人間らしいところもあるダイ・ソードと協力し、同士になり仲間になり。
そういうのは見ていてやはり熱いし、おもしろいです。
ダイ・ソードと出会った初めのころのエピソードが、実は最終決戦の伏線になっているのも「おーっ」ていう感じで、いいのですよ。
ゴッドサイダーにちょっと近い感じですが、自分たちを想像主である神を倒す、というのはとてもわくわくどきどきで爽快なのですよ。
厳しい試練を、終始生徒みんなで考えながら、ときには現地人に助けてもらいながらなんとか最終決戦を勝ち抜くみんな、すごいと思いました。
全4巻という、どちらかというと短い話数ですが、気持ち的にはゴッドサイダーやダイの大冒険、彼氏彼女の事情を読み終わったときと同じくらいの精神力を消耗した気がします。
完全にこども向けでありながら、全く手抜きがない本当によくできた物語だと思います。
(2015/8/10)

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