■さよならピアノソナタ/作:杉井光/絵:植田亮/電撃文庫
えーっと、無駄な文章が多すぎのような。
絵がいまいち(物語と合わない)。
とりあえず主人公の女の子(真冬)は、あのイメージじゃないでしょう。
表紙にエレキギターが描いてあって、それもかなり精巧に。
なので読んでみたんですけど。
ピアノ少女だったはずなのに、ピアノでなくてギターを弾いて(練習して)いる、というのはなかなかミステリアスです。
とはいえ、世の中には両方ともうまくこなす人は結構いるんですけどね。
クラシック界で賞をとるレベルになると、さすがにそうはいかないでしょう。
っていうちょっと変わった女の子と、偶然であった男の子(ナオ)との物語です。
先にも書きましたが、文章がたいぎいので、前半かなり読み飛ばしました。
ただですねえ、、、後半、とくに2人が家出してからは結構いいです。
物語も、2人の気持ちも動いてて、先がちょっと読めなくて。
探検というか、冒険ものっぽくていいです。
まあ、それもこれも、たしかに前半のかたくなな真冬の態度が効いているんですけどね。
前半の真冬の変な言動ですが、なかなか意味不明で、読んでてすごく嫌になるんですよ。
でも後でふりかえると、たしかにサイン(伏線)は鏤められてて、そうだったのかあ、と。
そこでちょっと許せるように構成してあるのは、うまいと思います。
そこまで(2人のバトル後)は、真冬のいいところが全くありませんからね。
音楽、クラシックからオールドロックまで幅広いジャンルが出てきます。
音楽を言葉で表現しきれるものではなく、その意味ではかなり失敗もしていますけど、試みはよいと思います。
試みというか、もちろん小説というジャンルで、演奏している感じ、曲の流れ方とかそういうのを表現しようとすると、これみたいになるんですけど。
でも、あそこまで細かに書かれたからといって、知らない人にそれがどんな曲かわかることはないと思います。
なんだか堅苦しい、というか。
2人のバトルの後、真冬の心境の変化を表すシーンがなかった(家に現れたときにはすでに態度が変わっていた)のがちょっと残念ですね。
まあ、少しずつはあったんですけど、あそこで2人でバトってから、入院している間に考えてたことがあると思うんです。
直接ではなくてなにか思わせるような様子でもいいんですが、なにかほしかったなと思います。
ということと、もうひとつよいところは。
真冬(の心)がこっちに来た、ところで終わっているところです。
家出編を読みながら、これはバンドに入って、、、とういところまでいかないんじゃないか?と思って、ハラハラしてました。
でも、ここまででよい(あるいはページが足りなくなったのかもしれませんが)んですね。
この後は、まあお決まりでしょうから。
っと思ったら、続編も出てるんですねえ。
今のところナオだけにそこそこ話ができるようになったレベルですが。
それが先輩やナオの幼なじみとかとどのように交流できるか、っていう感じならよいと思うんですけど。
単純にバンド編っていうのなら興味ないなあ。
(H21.7.29)

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