■ふたばの教室/八神健/白泉社
今度は小学生ですか。
非常にわかりやすい物語です。
極端にシンプル。
ドラえもんと同じくらい、飾りを省いてますね。
あいかわらず絵がかわいいです。
1巻ということで、まずは一番にくる問題というか、障害というか、を取り上げています。
実際は、免許取り立てですぐに担任にされることはないと思いますけどね。
新人で女性で子どもがいないっていうのがダメなら、男がやりゃあいいんだろ?って。
現実でもないとはいえない、しょうもない内容ですよねえ。
まあ、この物語だけでなく、とにかく自分以外のなんかのせいにしたがる親というか大人は多いです。
その中に理屈こねる人がいたりするもんなので、これがたちが悪かったりするんですが。
たとえば生徒が怪我をした、というのは結果であって、本来学校というか勉学・学習というのは、目的や意味や方法を見つけるところなんですけどね。
普通にやってて体育の授業で怪我をするなんて、「そういうこともありますよ」って学校は胸張って言えばいいんだと思います。
やり方を間違えると怪我をする、というのは、この本来の学校のある意味の、最たるものではないかなあと、思ったりします。
生徒が言うことを聞いてくれないっていうのは、先生の問題もそこそこありますが。
まあ、でも家での初期教育が大きいでしょう。
自分のやりたいことだけをやればいいってもんじゃない、ってことを一番身近で教えるのが親。
主人公ふたば、メインの悪がきたち、その他クラスの生徒、みんなキャラがはっきりしています。
教室なので、それだけで結構登場人物多いんですけど、表紙だけで11人ですか。
出席確認でも別の子が出てるし、人物の描き方はとてもいいと思います。
それこそクラスのみんなの1人1人の顔が見える、そんな漫画です。
先生が主人公の漫画では、ぬーべーがかなりよいですけどね。
魔物とか抜きにしても、生徒たちとの関わり方がよいですが、こっちはなにも特別な存在とか力がない、現実に即した舞台なのでリアルに思うところもあって、なかなか考えさせられますが。
1巻は自分の力ではなく、たまたまうまくいった、感が大きいです。
これが進んでいくにつれて、主人公がどのように解決していくのか、生徒たちとの関係がどのように変わっていくのかが楽しみです。
あとは、作者さんが広島出身ということで。
広島に詳しい読者には、ちょっとした楽しみがありますよね。
主人公が皆実双葉という名前なんですが、これだけでもね。
(H21.7.20)

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