「ROOM NO.1301 #10 −管理人はシステマティック?−」
小説の感想など
■ROOM NO.1301 #10 −管理人はシステマティック?−/作:新井輝/絵:さっち/富士見ミステリー
いやいや、ひさしぶりに出ました。
だいぶ物語が動きましたねえ。
そういう意味でかなりおもしろかったです。
まず、日奈が出て行ったこと。
これは、少なからずみんなに影響を与えました。
おぼろげに、「いつか出ていかなくては」ということが、ついに現実になったのです。
いろいろと便利でそれなりに楽しい13階生活だったんでしょうけど、「このままではいけない」ということと、あとははっきりいって「都合よすぎる空間に飽きていた」というところもあるのではないでしょうか。
ひっぱりすぎた感じのシーナ編でしたが、その終了と同時にみんなっせいに動き出したのがよかったのか。
もうちょっと早い段階でシーナ編を終わって、それから鈴離とか早苗さんまわりをゆっくりやって、、、という展開もありだったかなと思います。
まあ、それはそれとして。
やはり登場人物どおしの会話による長い展開、これはとってもおもしろいと思います。
現実の世界に近いのかな。
中学生くらいのときに友達と話し合ったようなことなんですよね。
あまり人に言えないことをみんなかかえてて、それをわかりあえる人たちとだけ共有する。
ひとつの場面がとても長く、簡単に説明文でかたづけないところがいいです。
直前にゼロの使い魔読んでたんですけど、あっちは説明が多すぎるんですよね。
このROOM NO.は会話によって進んでいて、それぞれの性格とか、考え方とか環境がその中からわかるんです。
ほんとに知り合いになったような、そんな感じになる。
そういうところがいいですね。
さあ、いったん広げた世界、早苗や咲良や狭霧、九条姉弟がつながってきました。
で、それよりもやはり、物語が終わりに向かった、という大きな展開があったので、はやく次が出ないかなーと。
(H20.11.19)

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