さて、一日目終了後は、やはり名物の温泉を堪能させていただき、夜は東西のプラレーラーが交流する宴会「空転部屋」。
ぺたぞうが各地で会って来たプラレーラー列伝や、各地の中古屋情報、廃線萌えや川廻し萌えなどの話題が飛び交います。
ともちゃんさんはレゴテクニックの新作バケットホイールエクスカベーターに大興奮。
そんなわけで夜更かしし、翌朝。
ぺたぞう:「プラレーラーの朝は早い!!」
7時から朝風呂を浴び、8時半には設営をスタート!
今日のミッションは壇上のゲートとジオラマ部分の完成、そしてひな壇周辺。
さらにメインディッシュはこちら。
筑波大のコンピュータサイエンス専攻に非数値処理アルゴリズムを研究されている教授で三谷純さんという方がいらっしゃいますが、三谷教授がお子さんのために自宅にプラレールを入手され、情報学の研究者魂を発揮して「このレールを敷き詰めるために必要なスペースをフェルミ推定せよ」との議題を呈したのを3月の甲府のレイアウトを組んでいる際にぺたぞうがキャッチし、その場でなんとなく推定して答えたのがご縁で、プラレールレイアウトを情報処理的に展開した場合の表記法などをお話させていただいてきました。
その三谷教授が、一畳プラレールを読んでくださっている方なら馴染み深い、ぺたぞうたちやれいさんが作ってきたプラレールのコース表記(2Sとか3Cとか…)を入力するとそのつながりでできるレイアウトを自動で図示してくれるスクリプトを開発、さらに、そのソフト上でコースが自動で閉塞するまで最大8回ループしてくれるため、お手軽にさまざまな図形が作れるということで一躍有名になりました。
ただし、基本的には立体方向のデータを取り込んでいないシステムであることと、橋脚の干渉などを考えていない図形的システムのため出来上がった図形がそのままプラレールレイアウトとして車両が走れるとは限りません。
しかし、中には実体化して車両が走れるレイアウトにできる可能性のあるコースもあり、そのあたりはZ軸と常に戦ってきたぺたぞうたち叩き上げの出番であります。
と、いうわけで、今回、広いスペースが使えるこの千年亭で
「三谷数学プラレール」を実体化する、というプロジェクトが立ち上がったのでした。
舞台上のゲート及び千年亭もどきとの上空連結は寅さんとじゅんさんのコンビ、ひな壇周囲埋めはべーやんさんに任せ、この数学プラレールにチャレンジするのは完全理系女子であるともちゃんさんと数学のすの字もわからないがプラレールだけはわかるたくぱぱさん。
そして立体化するのはこの図形。
直線2本、および比較的近接した同じ方向のカーブ4本があるため、坂直線、坂曲線が使いやすいことと、外周部のカーブ1つを除き、橋脚もジョイントも干渉していないことがチョイスの理由です。
正確に言えは、この時点でもう、実体化可能なことはわかっています。ただし、三谷教授のように数学的な言葉でそれを証明できないので、実際に作って証明してしまおう、というのです。
さて、まずは机を並べ、そこに、地面上で図形を再現。それをなぞるように立体化していくプロジェクトです。
ところが…。
ともちゃん:「机が足りない!」
早速、机が足りない。実は横幅が2400ミリを越えることはわかっていたのに、机を置き忘れたのはぺたぞうです(笑)
というわけで机をさらに加えて、図形を作っていきます。
ぺたぞう:「えーと、その次が直線、左カーブ、直線、左カーブ…」
ともちゃん:「ちょくひだり、ちょくひだり…」
ぺたぞう:「ちょくちょくひだり、ちょくちょくちょくみぎ…」
ともちゃん:「了解」
ぺたぞう:「たくぱぱさんそれ左。」
たくぱぱ:「えっ?左ってどっちだっけ?」
ぺたぞう:「………ん?このポイントはこんな位置でクロスしなかったはず…左に1S分短い。どこか忘れてる。」
ともちゃん:「おいかけましょう。ちょくひだりちょくひだり、ちょくちょくひだり、ちょくちょくちょくみぎ…」
ぺたぞう:「ひだりひだりちょくひだりひだりちょくみぎ……あ、そこに1S入ってない。」
というような暗号な会話を繰り返し、地上におくガイド線は完成。
次は、これを立体化。
立体化の際のポイントは、2人の息が合うこと。
同じレールからプラス方向、マイナス方向にスタートしていき、お互いがお互いを越えあって、最終的に同じ高さでつながる。
そのためには、可能な限りお互いが同じ高さに居続ける必要があり、AがBを越えたら次はBがAを越える。ただし可能な限り低い段数で周回を成し遂げるのが一畳プラレーラー達のルール。
これをぺたぞうと寅さんのタッグで成し遂げたのが、金町の八角形レイアウトでした。
■金町八角形プラレール
http://star.ap.teacup.com/pettanesa/867.html
ぺたぞう:「口に出して説明するとこんなめんどくさいルールと意思のキャッチボールを、あの時はぺたぞうと寅さんはアイコンタクトだけでやってたんだなあ…」
改めて長年のコンビに感動。
お互いにお互いを越える場所を検討しながら登ったり降りたり…。
そしてお昼前。とうとう立体化も完成します。
これが「走れる」という証拠(笑)
しかし、レイアウトとしてはこれでは終わりません。これだけだとそれぞれの橋脚にレールが1つしか載っていない状態。通称「ソロ」なので、衝撃で倒れてしまうからです。
なので同じ立体レイアウトをもう1つ重ねて、ボリュームも増しつつ、強度も増します
そして、出来上がったのがこちら。
夕飯前に完成、同じくして他のチームも完成し、今回の千年亭レイアウトは完成したのでした。
次回はレイアウト各所の解説!

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