とらさん:「3Dプリンタを使って、何か作れませんかね。」
うしくんとカエルくんを弄りながら、とらさんがふと呟いたのはおおよそ半年前。
ぺたぞう:「なんで突然。」
とらさん:「今後3Dプリンタは絶対ホビーユースになってくると思うんですよ。」
ぺたぞう:「なってくるだろうね。」
とらさん:「となると、特にプラモデルのカスタムといった領域では、10年後には普通に使われる道具になっていると思うわけです。」
ぺたぞう:「ぼくもそう思います。」
とらさん:「プラレールファンっていうのは、もともと半数がコレクション派で、残り半数はカスタム派じゃないですか。」
ぺたぞう:「レイアウト派は?ねえレイアウト派は?」
とらさん:「(無視)カスタム派については、それこそ3Dプリンタの親和性が非常に高い部分なわけです。」
ぺたぞう:「そうだねえ。現状のカスタムというのは、個人の工作技量による部分がクオリティの大きな部分を占めていて、それどころか可能不可能の判定もつかさどっているけど。3Dプリンタならそういうことはなくなって、3Dモデル制作時のデザイン部分に注力できるようになるよね。」
とらさん:「それそれ。だから、3Dプリンタを使えば、個人の技量に関係のないカスタムができるようになるわけです。というわけで、これまでプラレールカスタムとは無縁だったけいぷらでも、それなりのクオリティのカスタムプラレールが作れるようになるってことなわけでしょう?」
ぺたぞう:「なるほど。そうだね。そしてそれは『再現可能なものづくり』というぺたぞうのこだわりを満たしていて、かつ、通常の一品ものの貴重なカスタムと違い、作ったものを子供に触って遊んでもらうこともできる。そういう意味でけいぷらのスタイルにも反していないように思う。」
とらさん:「というわけで、3Dプリンタでカスタムプラレールを作ってみませんか?」
ぺたぞう:「いいだろう。ではこれを。」
ぺたぞうが出したのは、東京ビッグサイトで開催されていた「ものづくりEXPO」の入場券。
とらさん:「なんすかこれ。」
ぺたぞう:「日本最大の工作機械展示会の招待券です。今年のものづくりEXPOでは、たまたま3Dプリンタが特集されている。たまたま、と言ったけれど、時代がそのタイミングに来ているということだろうね。というわけで、まずはここでプロの説明を聞いて来ようか。」
とらさん:「なんでこんなもの持ってるんですか」
ぺたぞう:「ひ・み・つ」
そういうわけで、ぺたぞうたちは3Dプリンタの調査を開始したのでした。
(つづく)

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