2009/5/11
9日、青山ロックショウへ行ってきた。
快晴の土曜日、心沈む人達が長い長い列を作ってた。
清志郎の葬儀式場である青山斎場へ着いたのは1時ぴったり。
予想どおり「ファン順路」と書いた看板を掲げた黒服が
あちこちに立ち、列を整理していた。
長い列。まあ3時間くらいは覚悟してたし、体調も
珍しくばりっと元気だったので、軽く持ちこたえる気でいた。
しかし・・・祭壇にたどりつくまでにまるまる6時間とは・・・
本当に長い一日だった。
集まった人達(4万人!)の長い列は、あれだけの人間が
いるのに不思議なほど静かだった。それぞれの思いを
抱えてこの場に集まった人達は、「疲れた〜」とか
「途中で打ち切られて斎場にたどり着かないのでは?」とか
普通なら誰かがぶーたれそうな状況なんだけど、
ただひたすら静かに列が動くのを待っていた。
日が傾き暗くなりかけた6時。やっと斎場敷地内に到達。
明るい声の女性ナレーションが流れていた。
「本日は忌野清志郎・青山ロックショウへようこそ
おいで下さいました。たいへんお待たせして申し訳
ありません」
ああ、これが本当にライブを待つ列だったら・・・と思った。
受付をすませると、TVでも見た清志郎の遺影を
ポストカードにしたものをくれる。
ちょっと照れくさそうな素の清志郎。いい笑顔。

RCと清志郎の曲がガンガン流れている中を、また列に
並んで待つ。大きな一旗うさぎが夕方の風に揺れていた。

それから40分くらいかな・・・ついに祭壇へ。
無宗教の清志郎の位牌「忌野清志郎之霊」があって
あの遺影が飾られた上方には、紅白の垂れ幕。
ドラムセット、ギター、自転車が飾られ、色とりどりの
紙ふぶきが床に広がってた。
祭壇前でコンパニオンのお姉さんからバラの花一輪を
もらって献花した。祭壇に立って献花したら、
ぼろっぼろ泣けてきた。
「後ろ向きのセンチメンタリズムを清志郎は潔しと
しないだろう」「俺をネタにセンチになってんじゃねえと
言われないように」とは、渋谷陽一氏の言葉。
そうだよなーと思い、涙をぬぐった。
「一杯のありがとうを言いたくて来ました。
清志郎がいない世界で、へたれなあたしは
へたれなりに自分らしく生きていきます」
好きなアーティストはたくさんいるけれど、
同じ時代に生きられたことを感謝するのは、
たぶん・・・あたしにとって清志郎とビートルズだけ。
清志郎のメッセージ「夢を忘れずに!」はヒーローに
夢を託すんじゃなく、一人ひとりが自分の夢を生きろ!
ってことだと思ってる。オリジナル脚本、主演自分のドラマ。
TVで弔辞を読む芸能人たちを見た。
号泣する竹中直人や大竹しのぶは、悔しさ悲しさを
放出してたけど、甲本ヒロトの弔辞はよかったね。
喪服の参列者の中、黒づくめではあるけど革ジャン!
あんまりGOODなので、以下、引用。
「清志郎どんな格好してた?」って知り合いに聞いたら、
「ステージ衣装のまま寝転がってたよ」っていうもんだから、
「そうか、じゃあおれも革ジャン着ていくか」って来たら、
なんか、浮いてるし。…清志郎のまねをすれば、浮くのは当然。
でもあなたは、ステージの上はすごく似合ってたよ。
ステージの上の人だったんだな。
数々の冗談、ありがとう。いまいち笑えなかったけど。
はは…。今日もそうだよ、ひどいよ、この冗談は。うん…。
なるべく笑うよ。そんでね、ありがとうを言いにきました。
清志郎、ありがとう。それから後ろ向きになっちゃってるけど、
清志郎を支えてくれたスタッフの皆さん、家族の皆さん、
親族の皆さん、友人の皆さん、最高のロックンロールを
支えてくれた皆さん。どうもありがとう。どうもありがとう。
ものすごくヒロトらしい悼み方だと思った。
なるべく笑うよ、って言葉がよけい泣ける・・・
あたしは泣いたっていいよね。
この泣き虫ぶりはたぶん更年期だもん。
頭の中でずっとRCの曲が鳴っている。
感謝 FOR YOU! Farewell, BOSS.
See You Again。
追伸:ロッキンオンJapanで追悼特集が組まれるとのこと。
たぶん初めてRCを聞いたのは渋谷さんの「サウンドストリート」
だった気がする・・・

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投稿者:Oyata
ケリーさん、IL DIVOと写真撮ったのですね(笑)彼らは近々来日するようです。村上さんと言えば、「ノルウェーの森」が映画化されます。主人公は私的には納得のキャスティングかな。
脚本を読んで村上さんがOKしたのだから良いのでしょう。「意味がなければ・・・」は読んでみますね♪
Oyataさん。投稿する際にメールアドレスを記入するので、もうすでに正体がばれていると思っていました。姉が友人のブログ等に投稿する際に、バービーというとんでもない名前を付けていたので、単純に妹のケリーにしたまでです。いつもブログ楽しみに読んでいます。こちらかもコメントさせていただきますのでよろしくお願いします。そうそうつい先日カナダで姉と一緒にIL DIVOのコンサート見てきました。彼らにあって、一緒に写真を撮るというおまけ付きのチケットを私の分まで買ってくれたので、仕方なくお供しました(笑)。で、渡米の際に買ってきてもらった「意味がなければスイングはない」とういう村上春樹の本、なかなか興味深く読みました。相変わらず、彼の著書、翻訳書は欠かさず読んでいます。機会があったらぜひ。
投稿者:Oyata
toramiさん、私なぜか
今回はじめてジョージの(ポールでなく)CDを聴きたくなって、
All Things Must Passを買いました。
「諸行無常」というタイトル、
今の気分にぴったりなので。
虹の橋の向こうは、ロックンロールショーでバリバリ盛り上がってる
かも知れません。
投稿者:Oyata
ケリーさん、やっと誰だかわかりました(笑)
RCの曲はロックはもちろん、バラードの詩がストレートでシンプルで
心の深い所に刺さるんです。
機会があったら是非聴いてみて
下さい(YouTubeで!)
湯川れい子さんが「日本のジョン・
レノン」と言ったのも、そうかもなぁ
って今しみじみ感じます。
ダイアナ妃、私もニュースを見た
瞬間のこと忘れられません。
この世に大きな役割を持って
生まれてくる人達は、虹の橋の
向こうへ行っても私たちの心の
中で生き続け、励ましてくれます
よね♪
投稿者:torami
賑やかなことがお好きだった清志郎さん。
Oyataさんも含め
たくさんの方が来てくれて
とても喜んでいたと思います。
ワタシは・・・今でも彼が
どこかでライブしてるような気がしてます。
清志郎さんは終わりのないツアーに
出かけているだけなんじゃないかと。
おやたさんがRCサクセションのファンだとは全然知りませんでした。私自身も若かりし頃は邦楽といったら地元のサザンとオフコースくらいしか聞いたことがなかったので、今回はじめてスローバラードという曲を知りました。なかなかいいじゃないですか。こんなバンドを私も昔から知っていたら、人生観変わっていたかもです。同じ時代に生きられたことを感謝するアーティスト。そう私にとってもビートルズ(というかポールですね)は大事。でも、アーティストでもないし、次元がちょっと違うかもしれないけど、亡くなった時に本当に本当に悲しくなって、しばらくは何も手をつけられない状態になってしまった存在は、Queen of People's Heartsのダイアナ妃です。亡くなった当時はたまたま英国に住んでいたので、ニュース番組を朝から晩までボォーッと見て過ごし、これでもかと思うほど泣きました。で、リンダもダイアナ妃もいなくなった英国はもうおしまい、とまじに思って、英国を出てしまったのは、今考えてみると、人生最大の失敗だったかも!ダイアナ妃が私の心の中でずっと生きていくように、清志郎がおやたさんの心の中でずっと生きていきますように。