GWの計画がまとまらない。計画書の期限も迫る。
今さら何処かの計画に潜りこむのも気がひけるし、たまに2000mを超えたいなぁ〜!
それで、久しぶりにemiちゃん誘って、上ホロから十勝岳を歩くことにした。
朝早出で札幌を出発し、十勝岳温泉に近づくと、まわりは雪景色となっていった。
「雪の十勝連峰はカッコいい!」

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冬季登攀のシーズンが終わった上ホロはすいている。氷雪教程の時期には車を停めるのさえ困難な日もあるのに、今日はわりと空いている。
唯一の団体は、登山ツアーなのだろうか、不思議な20〜30人のパーティ。

08:30 駐車場脇の雪山に乗ってみると、雪はけっこう硬い。私たちはスノーシューを置いていく判断をし、ツボ足で元気に出発です。
天気がいい。旧噴までは傾斜の無い道程だけど、すぐに汗がどっと出てくる。天気予報では“晴れ後雨”だけれど、本当に雨になんかなるのだろうかと疑ってしまうほど空は青い。

途中からD尾根に目をやると、ところどころに雪庇崩壊で発生した雪崩れ跡が見えている。そして化物岩の右側には、さっきの団体がD尾根に向けて列をなして登っていた。
「ちょっと怖い」
「あの斜面は歩かないで、旧噴から登ろう!」

09:25 やたらと時間がかかって旧噴に着いた。
下降尾根を見ると、雪はまったく付いていない。そして下降尾根の右側には表層雪崩の跡がある。
とりあえず、尾根脇の雪を伝って登ろうと、アイゼンを装着した。
「歩きづらい!」尾根脇の雪はべちゃべちゃで、ずぼずぼ埋まる。結局、雪のない尾根の真ん中を滑らない様に歩くしかないのだ。
締まった雪であれば快適に登れる尾根も、こんだけ雪がないと違った緊張と、違った筋肉を使う。ある程度雪がないと標高差200mの急登はキツイ! 本来なら、雪の無いときにこの尾根を登るだなんて考えられないのです。
10:30 ここでも「なんでこんなに?」って時間をかけて、やっとこさD尾根に上がった。
そしてそこには想定外の景色が広がっていた。ハイマツの尾根を歩かなきゃならないのだった。沢よりの雪を歩こうと思ったら膝上まで埋まってしまう。
「スノーシューを車に置いてきたのは失敗か?」

cnt.1700m付近から夏道に出て、やっとハイマツから開放された。しかし軟弱な事に、もう太腿の筋肉が消耗しきってしまっている。
あの急登が原因なのだろう。ここからは何歩も歩かないうちに、立ち止まり、立ち止まり進まなくっちゃいけない。
emiちゃんったら「marboさんの調子がわるいから、ついていけるわ!」って言っている。私の調子の悪さも、人によってはラッキーだったりする。
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〈ここで言い訳をしておこう〉
今朝は4時半起床だったというのに、2時就寝だったのだ。最近体力が無い、体力が無いって言っているんだから、睡眠くらいはちゃんととらなきゃダメでしょ!
〈もう一つ言い訳〉
写真が無い。
ハイマツを漕いでいるときに、カメラの鏡胴先端を凹ませてしまい、レンズバリアが開かない。無理やり開けたら、開きっぱなしになってしまった。
途中からスマホでの撮影になったけれど、速写性がない。スマホで撮るのは、私には向いていない。
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11:30 cnt.1800mで3人パーティが上から降りてきた。ハイマツの中には足跡が無かったので、何処を歩いてきたのだろうと尋ねると、化物岩の南側の登山道を登ってきたというのだ。
「もうハイマツを歩くのは嫌だ!」
「帰りは、そっちを歩こう。」

11:50 上富良野岳にようやっと到着した。
いっきに歩いちゃえばいいのだろうけれど、目の前に目指す頂上があるっていうのに、なかなか歩き出せない。
いったんコルまで降り、上ホロへの登りに入るが、夏道に残雪が残っているって言う感じで雪がない。
とにかくアイゼン、ピッケルの季節はすでに終わっていたようだ。
12:20 雪の無い、上ホロカメットク山(1920m)に到着した。
こっ恥ずかしい事に4時間近くもかかっている。そうして当然のごとく、ここから十勝岳まで歩く気力は無い。
すごく近くに見えはするが、見えているルート上は雪なんか無いのだ。いくら登山靴とはいえ、プラスチック製の靴で雪の無い登山道を歩くのは私には考えられない。
考えてみると、雪の無い上ホロって登ったことがないよなぁ〜! ここは雪の季節に登る山って位置づけなものだから、いつも吹雪で寒いってイメージ。でも今日は素手で蒲鉾なんかをつまめる。
12:35 富良野岳方向を見ると、強い南風が、雲を作りながら北に抜けていく。
「天気が悪くなるかも?」
初冬にこの山で亡くなった岳友に手を合わせて頂上をあとにした。

疲れていたって、下山は速い。いや速いかなぁ〜?
とにかく、自分としては一生懸命降りていく。途中、体重の軽いemiちゃんが足を埋まらせ、もがいている。それくらい雪は緩いのだ。
13:25 cnt.1700m ここから化物岩の南側を通る登山道に入っていく。
ここは三峰山沢の支流で、沢形の雪は締まっている。それにけっこう大勢の人達が歩いているようで、踏み跡から離れる気にはならない。

13:50 D尾根のcnt.1500m まで上がり、今度はヌッカクシ富良野川(ひらたく言えば、旧噴の沢だよねぇ〜!)に降りていくのだが、ここが一番怖い。
写真ではなだらかに見える斜面も、実際は「転げ落ちたらどうしよう?」って不安を覚える。
酔狂なボーダーの子等は、その斜面にジャンプ台を作って、エアの練習に興じている。

雪崩れる事はないのか? いやいや山で絶対だなんてありえない!
私は後ろを振り返りつつも、急いで斜面を駆け下りて、斜面から離れる。なんといっても、ところどころ小さな雪崩れ跡が見えていて、ルートの先には大きな雪崩れ跡が控えているのだ。
14:10 cnt.1310m 雪崩れの前を急いで通り過ぎ、走るように沢の対岸に上がった。
「これで一安心!」
ほんの20分くらいの時間だったが、私の後を追うように歩いてきたemiちゃんにも、私が雪崩れのリスクから逃れるために急いでいたのが伝わっていたらしい。
ここからはのんびり歩く。
14:30 凌雲閣に着いた。
顔中に塩が吹いている。「汗かいたもんなぁ〜!」
***山を降りて***
実を言うと「最近、歩けるようになってきたなぁ〜!」っていう実感があって、今回だって、まったく問題なく十勝岳まで歩けちゃう予定でいたのだった。
それが、大汗をかき、心臓をバクバクさせて、数歩歩いては立ち止まり、また数歩歩いては立ち止まりって事になってしまった。
修行だ、修行だ、修行だ!
はやいとこ、歩けた頃のmarboに戻りたい。
***一緒に登った仲間***
emiちゃんと私marbo

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