〜前回の続き〜
半年ぶりの田辺の某ネットカフェ滞泊である。前回は養豚場から逃げ出した豚の雄たけびが隣のブースからけたたましく発していたため、私含め近隣の客たちはほぼ一睡すら出来なかった。さて今回は…やはり夜中にもなると、どこからともなく鼾が聞こえてきたが、まあ大したことはない。やがて私も睡魔に襲われ、ついには眠りこけてしまった。
翌朝。
♪やっちゃった!五時半起床!ヤバイ
というのも、予定では未明にここを出発し、本州最南端である潮岬にて日の出を迎えるはずであった。ここ田辺から潮岬のある串本まではざっと70km近くある。ちょうど秋分の日から一週間だから、日の出は午前六時ちょっと過ぎであると推定、即ち潮岬まで三十分で走らなければならない。高速道路があるならともかく、下道しかなく到底間に合わない。万事休すだ。
それはさておき、大慌てでR42を南下する。徐々に周囲が明るくなってゆく。海沿いの幹線国道であっても、周参見〜串本間は民家がほんとうに少ない。並走するJRも、この区間の普通列車は紀勢本線の電化区間では最少である。
串本の街外れに着く頃、時刻は既に七時を回っていた。案の定、田辺から90分近くかかっている。

やっと辿りついた本州最南端の地

地球は丸かった

朝日を浴びて

潮岬の先端に広がる、望楼の芝生

潮 岬
本州最南端
まだ早朝とあって人影はまばら。芝生の片隅にはテントが張られており、どうやらこの地で一晩を明かした人がいるらしい。ちなみに著名な潮岬の灯台はここよりやや西に位置する。一般公開もされているが、只今営業時間外である。
潮岬は陸繋島となっており、その周囲をぐるりと車で回ることができる。
串本の町に戻り、とりあえずR42を新宮まで走ることとする。串本が南端のため、この先は北上するかたちとなる。途中、
橋杭岩や
熊野那智大社など有名どころの観光地もあるのだが、ここはあえて割愛する。尤も一応は「
立ち寄った」のだが…
新宮市内に入り、橋本交差点でR42を離れ、
R168へと方向転換する。このままR42を走り続けても良いのだが、海の景色を見飽きてきたことも理由の一つである。私は今回端からR42をコンプリートしようとは思っていない。完走しようものなら、三重県の鳥羽から伊勢湾を渡り、さらに浜松まで走らねばならない。そうなると、今度は帰路が大変である。
熊野川沿いをハイペースに飛ばす。本宮までは整備された二車線路が続いている。そして熊野川町宮井で右折し
R169にチェンジ。実はこの先は前回湯ノ口温泉へ行くために既に走っている。
しばらく走ると、前方で何やら車が並んでいるのが目に留まり、車を減速する。どうやら工事のため、時間を区切って通行止めにしているらしい。只今時刻は11時の十分前。開通は11時ちょうどである。

熊野川の支流・北山川

ちょうどやってきた瀞峡
へのから戻る遊覧船
この工事の先が前回も記した酷道区間である。1.0〜1.2車線程度の狭隘路は相変わらず。今回は竹筒よりR311へ進まず引き続きR169を走ってみる。単独となった後も悪路は続くが、熊野川町玉置口より突如高規格道路(奥瀞道路)が始まる。長大トンネルと高架の連続で、一挙に飛び地の村・和歌山県北山村へと入る。北山村に入った直後で高規格路は終了し、1.5車線程度のやや狭い道が復活する。
未整備路を走ること十分ほど、道の駅おくとろに到着した。
||一旦ここで区切ります||