サリン事件が発生してもう随分経ちますが,サリンやVXガスを製造したとして起訴されている土谷被告は無罪を主張しているのですね.自分が作ったガスが殺人に用いられるとは思わなかったと.
なるほど.一理あります.例えば,GPSを作ったけど,これが軍事目的に転用されて北朝鮮の工作船に利用されるとは思わなかった.温度センサーを作ったけど,これが地雷の人検出センサーとして使われるとは思わなかった.いろいろ同じような意見が出てきそうです.
しかし,土谷被告の場合,当時の仲間が使っているので,第3者の悪意はそこには存在しません.仲間内の使用は土谷被告が使ったことと同等でしょう.論理のすり替えも甚だしいですね.極刑の予測は頭がすこしばかりいい人でもつかないのか,冷静な判断が出来ないゆえの当然の主張なのか.
自分がこれらのガスを作らなかったらどうなっていたかとは思えないようです.相手の気持ちになれない典型ですね.これを無意識に吸ってしまった人たちの無念はどう受け止めているのでしょう.

0