マグダラのマリアと聖杯(その1)

2013/5/15 | 投稿者: マルセタロー

夏目先生をお招きして「性に秘められたスピリチュアルパワー」というセミナーを開催致しますが、その関連知識として以前読んだ本を、再確認の意味でもまとめておこうかと思います。この「マグダラのマリアと聖杯」(マーガレット・スターバード著)は本の帯にも書かれていますが、「ダ・ヴィンチ・コード」のタネ本の一つといわれています。副題は「雪花石膏(アラバスタ)の壷を持つ女・タロットカードの暗号を解く」となっており、タロットの象徴についても多く言及されています。内容は多岐に渡りますが、非常に分かりやすい本でした。最近、記憶力が怪しくなっているので・・(^_^;)、後から自分が見ても思い出せるように、要点をまとめたいと思います。

著者のマーガレット・スターバード氏は、メリーランド大学大学院でヨーロッパ史と比較文学を修め、文学博士号を取得。その後もドイツやアメリカの大学で研究を続け、聖書研究や霊性に感する講義を担当していたということです。もともとはこういったアカデミックな立場だったんですが、「The Holy Blood and The Holy Grail」(邦訳「レンヌ・ル・シャトーの謎−イエスの血脈と聖杯伝説」)を読んで衝撃を受け、それに反駁するための研究を始めたのが、そもそも本書を執筆するきっかけとなったとのこと。

ローマ・カトリック教会に深く帰依していた著者が衝撃を受けたその内容は、新約聖書の福音書に登場するマグダラのマリアとイエス・キリストが結婚していたという主張です。マグダラのマリアが教会で語られるときは「元々は罪深い娼婦であったが、その罪をイエスによって許された女性」という位置付けで語られる事が多いですが、なぜそのような位置付けになったのでしょうか?。これは福音書の中で、イエスに「七つの悪霊を追い出された」(マルコ16:1他)と記されているためで、「体から悪魔を追い払う」=「売春で汚れた肉体をイエスの力で浄化される」という解釈が行き渡っているためです。

さて、現代までに作り上げられてきた娼婦のイメージとは全く別に、聖なる存在としての娼婦というものが古代では知られていました。それが聖娼や神殿娼婦と呼ばれる存在です。これは古代バビロニアやパレスチナなどの地中海沿岸で信仰されていた地母神を祭る神殿に仕えていた巫女をさし、儀式として男性の信者と性的に交わって、男性信者と大地の女神との神秘的な一体感をもたらす媒介者としての役割を担っていました。これは俗世間における一般的な娼婦とは明瞭に区別され、聖なる存在として崇められていた存在でした。およそ紀元前7000年頃〜3500年頃までは、この女神崇拝が非常に盛んでしたが、紀元前3500年頃からのインド・アーリア族の侵入によって、男性の最高神の概念が中近東地域に入ってくるようになり、そして数世紀の時を経て、この男性神を信奉する宗教が、寛大な女神崇拝に徐々に取って代わっていくことになります。

女神崇拝の時代、王がその地位を確定するための儀式として、女神に仕える女祭司が王の頭に香油を注ぐ、という儀式が行なわれていました(この儀式はギリシャ語では「ヒエロス・ガモス」(聖婚)と呼ばれ、性的な意味合いも秘められています)。この儀式がユダヤに取り込まれたときに、王に香油を注ぐ役割は男性の預言者に変わっていき、そして王はヘブライ語で「メシア」、すなわち「聖油を注がれた者」として知られるようになります。このような背景があったことをを考えると、マグダラのマリアがイエスに香油を塗布した行為には様々な意味合いが考えられてきます(つづく)。





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