2018年8月下旬に新潟県で開催された胎内星まつりに、私にとって興味深い機材が出品されていました。

五藤テレスコープさんの試作品、太陽スペクトル観察望遠鏡です。
鏡筒が上下逆さまに取り付けられているように見えますが、これで正しく太陽の方向に向いています。
見たい波長域を移動させる微動ネジが筒底に付いていて、それを回すことで様々な域帯のフラウンフォーファー線 (暗線) をみることができます。
この装置のメーカー紹介サイトはこちら。
http://gototelesco.co.jp/product_for_obs_pdf/solar_spectrum.pdf
少し覗いただけですが、数百本の微細なフラウンフォーファー線を観察できました。これほど多くの微細な暗線を見るのは初めてです。
当日は天候が悪く、太陽が雲間から顔を出した瞬間を利用し、コリメート撮影させてもらいました。
91110069RUTT
デジカメを手持ちで接眼部に当てがい、数秒後に撮影。すぐに曇ってしまい、構図やピントもきちんと合わせる余裕がありませんでした。
D2、D1はナトリウムのフラウンホーファー線です。

(C)国立天文台岡山天体物理観測所/(C)宇宙スペクトル博物館
比較するため、国立天文台岡山天体物理観測所で撮影された画像を掲載します。
なお、この画像は著作権者さんの承諾を得て掲載。
91110074TURT
今度は1分ほどの撮影時間が取れたので、ピントや構図をきちんと合わせて撮影できました。
b4、b2、b1はマグネシウムのフラウンホーファー線です。
上の画像を強拡大し、トリミングしてみました。
91110074TURT3

(C)国立天文台岡山天体物理観測所/(C)宇宙スペクトル博物館
比較画像として国立天文台岡山天体物理観測所で撮影された画像を掲載。この画像も著作権者さんの承諾を得ています。