札幌市青少年科学館の職員さんが備品を整理中に、古いツァイスサイズの接眼鏡を2個見つけたというので拝見させてもらいました。
ツァイスサイズというのは24.5mm径の接眼鏡です。最近の望遠鏡では見かけなくなりました。
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拝見時にはかなり汚れていて、職員さんから承諾をもらい私がクリーニング後に撮影。
この接眼鏡、札幌市天文台の初代20cm屈折望遠鏡に付属していた接眼鏡のうちの2本です。発見された職員さんはご存知なかったようです。
この接眼鏡を札幌市天文台で最後に見たのは1984年なので、実に31年振りの対面です。
初代20cm屈折望遠鏡の光学系は東京光学が製作し、1958年(昭和33年)に札幌市へ接眼鏡などの付属品と共に納品されました。
詳しいことは 【 札幌市天文台その2 】に書きましたのでご覧ください。なお、架台部分は府中光学製です。
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東京光学の刻印が印字されています。
当時は、望遠鏡ごとに接眼鏡がその都度製作されていたようです。その証拠に口径20cm焦点距離2400mmの望遠鏡に使われた場合の倍率が印字されています。1958年の望遠鏡納品時には接眼鏡の設計図が添付されていました。
付属の接眼鏡は、K50mm、K40mm、K25mm、Or12.5mm、Or9mm、Or5mmの6本だったと記憶していますが、科学館に残っていたのはK25mmとOr12.5mmの2本だけです。
骨董的価値があることを職員さんに説明し、今後の丁寧な保管をお願いしました。
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私が中学生だった1969年に札幌市天文台の口径20cm屈折望遠鏡を使わせてもらいスケッチした木星です。Or9mm接眼鏡267倍を使用しています。
当時は団体の貸切利用が可能でした。