2014/4/4

童謡唱歌こぼればなし番外編 喜びも悲しみも幾年月  童謡唱歌こぼればなし
ある歌の本で、ウクレレ教室で使用したい曲を探しているとき『喜びも悲しみも幾年月』の歌詞が目に止まりました。この曲は木下恵介監督が昭和32年(1957)に制作した『喜びも悲しみも幾年月』の主題歌で若山 彰さんが歌いヒットしました。オリジナル曲も私たちが普通歌っている歌詞は4番までです。ところがこの本では5番までの歌詞が掲載されていたのです。この本で4番となっている歌詞は通常は歌われておりません。そこでこの4番の歌詞について調べてみました。驚くことに『喜びも悲しみも幾年月』には6番まで歌詞があることがわかりました。






5番まで掲載されている歌の本
(赤線の囲いの歌詞は通常歌われません)
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 『喜びも悲しみも幾年月』で調べて行くと歌詞を紹介するサイトのほとんどは通常の4番までの歌詞しか出ていません。ネットで検索していると【二木紘三のうた物語】というwebページに行き着きました。そこに掲載されていた『喜びも悲しみも幾年月』のコメント欄には歌詞についての書き込みがありました。また、朝日新聞Travel愛の旅人のwebページにも関連記事が掲載されていました。それらの記事をまとめただけですが『喜びも悲しみも幾年月』歌詞の考察としました。

参照したWEBページ
二木紘三のうた物語 ← クリック
朝日新聞Travel 愛の旅人 ← クリック


 朝日新聞Travel愛の旅人に載った『喜びも悲しみも幾年月 −田中 績と妻きよ−』(2008年2月23日)によると、『喜びも悲しみも幾年月』撮影の1週間前に主題歌を作るよう兄の木下恵介監督から弟の木下忠司氏(映画の音楽を担当)は言われたとのことです。その時忠司氏が思い浮かべたのが陸軍船舶隊にいた戦時中に船から見た福岡・玄界灘の烏帽子島灯台です。その神々しさに「あんな島で誰が灯をともすのか」と思ったそうです。陸からでなく海から灯台を見たからから出来た歌だったようです。

 また2012年9月9日の読売新聞『よみほっと日曜版』に掲載されたこの曲の誕生秘話によると、一番から四番までは木下忠司氏作詞したとのことです。しかし映画に挿入する際、歌が足りなくなり、木下恵介監督が一つ作詞して5番までの歌になったと記されています。単純に考えると5番の「星を数えて…」が、恵介監督が追加した詞のように思われますが5番はこの歌のメインの言葉が入っているので、最初から弟・忠司氏が作詞したのではと思われます。勝手に想像すれば、恵介監督が作詞したのは4番の「朝に夕(ゆうべ)に…」ではないかと考えられます。


 『喜びも悲しみも幾年月』の歌は、全6部(序章・冬・春・夏・秋・終章)で構成されているという説があります。

序章:1番「おいら岬の…」
 冬 :2番「冬が来たぞと…」
 春 :3番「離れ小島に…」
 夏 :4番「朝に夕べに…」
 秋 :5番
終章:6番「星を数えて…」


秋の歌5番は、映画の中で、嵐の中、主人公が防波堤の先端の信号塔の明かりを修理しに赴くところに挿入されています。この部分の歌詞が映画の効果音が入っていることもあり、聞き取れないようで、聞く人により違った歌詞になるようです。また、序章と終章以外は、「冬、春、夏」と季節の言葉が入っているのに、「秋」だけ季節の言葉が入っていないことに違和感を持つ人もいるようです。しかし、嵐のシーンを台風のシーンとすれば秋をイメージ出来ます。

映画では聞き取りにくい5番の歌詞
聞く人によっては写真右のように聞こえるが…
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 5番の歌詞部分をDVDからパソコンに音声を取り込んで、音声の波形を出せるソフトを用いて音を解析した方がいました。昔の作品なので録音状態も決して良好ではなく、また効果音などに埋もれてしまい、完全な解析とはいかなかったようです。その結果次のような言葉を拾い上げ、それを元に歌詞を推測しました。

パソコンで音声を解析した結果
写真下はそれを元に推測した歌詞
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 いずれにしても5番の歌詞の正解は今のところ見つかっていないようです。しかし、この歌は、もともと4番までしかなかったのだと思います。それを木下監督が、夏の歌詞を作り4番とし、夏のシーンに挿入。更に秋のシーンがないので5番も作詞し、嵐のシーンに追加したのかも知れません。
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