2010/2/4

消えゆく冬の光景  『たきび』  童謡唱歌こぼればなし
私が子供のころの冬は現在よりもっと寒かったような気がします。寒さをしのぐため押しくらまんじゅうや、鬼ごっこなどで遊びました。落ち葉を集めて焚き火をして、サツマイモを焼きながら数人の友だちと談笑したものです。焚き火は、手をかざす人たちに身体の温もりだけではなく、心の安らぎを与えてくれました。

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 NHKは昭和16年、年末放送される幼児向け音楽ラジオ番組『歌のおけいこ』で使用する曲として、渡辺茂に『たきび』と題した詩の作曲を依頼しました。渡辺は詩を一読して、「さがし求めていた理想の詩に出会った」と喜び作曲したとのことです。この年の12月 9日、『たきび』は放送されました。しかしこの曲は、いきなり時代の流れに翻弄されて行くことになるのです。

 放送された12月 9日は、日本が真珠湾を攻撃した翌日でした。三日間予定の番組は二日間で打ち切られ、戦時番組に改編されたのです。「焚き火は敵機の攻撃目標になる」「落ち葉とはいえ風呂の焚きつけになるのでもったいない」ということが番組打ち切りの理由だったようです。こうして『たきび』は姿を消しました。

真珠湾攻撃 −奇襲攻撃を受け炎上する戦艦−
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 戦後、昭和24年からスタートしたNHKのラジオ番組『うたのおばさん』で『たきび』が放送されたのをきっかけに広く歌われるようになり、小学校の音楽の教科書にも取り上げられるようになりました。ところが「子どもだけでたき火をするのは危険だ」と消防署からクレームがつきました。その対策として教科書には火の番をする大人と水の入ったバケツが描かれたようになったといわれています。

 近年、焚き火の煙が近所に迷惑をかけるという理由から、焚き火をして焼きイモをする行事を廃止に追い込まれた幼稚園もあるそうです。ダイオキシン問題から焚き火も勝手には出来なくなり、焚き火はもう童謡の世界だけのものになってしまったのかもしれません。




                    たきび
                                   作詞 巽 聖歌
                                   作曲 渡辺 茂

 1.かきねの かきねの
  まがりかど
  たきびだ たきびだ
  おちばたき
  「あたろうか」
  「あたろうよ」
  きたかぜ ぴいぷう
  ふいている
               2.さざんか さざんか
                さいたみち
                たきびだ たきびだ
                おちばたき
                「あたろうか」
                「あたろうよ」
                しもやけ おててが
                もうかゆい         
                            3.こがらし こがらし
                             さむいみち
                             たきびだ たきびだ
                             おちばたき
                             「あたろうか」 
                             「あたろうよ」
                             そうだんしながら
                             あるいてく                           
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