お久しぶりです。
滞りがちのはるパパブログ、テロリストの日々は去りつつあるものの、田舎の山賊ぐらいは(どんなんや!)続いています。
このブログも帰りの電車の中でうっています。
5月3日が稽古初めで、13日の今日はもう通し…
しかし、まあ、とにかく回数を重ねることで、空回りしていた歯車もしっかり絡んでくるでしょう。
シンプルな舞台ですが、お洒落でコミカルでロマンチックな空間が、もうすぐ生まれそうです。
プッツン切れるイローナ役のいーちゃん(寿ひずる)がめちゃ面白いよ!
先日、パンフレット用の写真撮影がありました。
ヘアメイクさんが創った私の役、ディエベル男爵の髪型は十九世紀にヨーロッパで流行ったものだそうで、一・九分けの重箱リーゼントです。
(どんなんや!)
ドライヤーと整髪料を駆使し、ゆうに三十分は悪戦苦闘してもらいました。これにメイクと衣装を合わせると…
自分で言うのもなんですが、なかなかいいのです!
笑っちゃうぐらい気に入りました。
みんなの評判も上々、撮影が終わり、
「なあ、この頭で帰ってもいいかな?」
と、言うと、
「絶対いいよ!」
との、お墨付きです。
調子に乗った私がいそいそ帰り支度をしていると、幸二郎くんが、
「でも、メイクを落として、Gパンにその頭だと、仕事帰りの配膳会みたいだよね」
と、言いました。
…
あいつはほんとに面白いことを言うよねぇ…天才です。
まさしく、東京会館ローズルームで仕事を終え、帰宅するボーイ長の鈴木さん(誰やねん!)でした 。
さて、鈴木さん、いや、私はいそいそと電車に乗り込みました。
なんだかワクワクしています。
この頭を見て、猫たちがどんな反応を示すか楽しみでならんのです。
玄関を開けると必ず新入りのぎんじろうが迎えにきます。
あいつ、どんな顔するやろう?
うひひ…
電車が駅に着くと、急ぎ足で坂を登りました。
道行く人々をどんどん追い抜かし、そして、いつもは十分かかるのに、なんと、この日は七分で家に着きました。
五十も過ぎて、ガキみたいなおっさんです。
「ただいまーっ!」
玄関のドアを開け、元気に声をかけました。
「ウギー!」
(ニャーとなけない)ぎんじろうが走ってきます。
私と鉢合わせしました。
すると…
いつもなら足元にウニャウニャまとわりつくのに、時間が止まったのです。
まあるい目をキョトンとして、ぎんじろうは微動だにしません。
もう、おかしすぎです。
たまらず私は、抱っこしました。
「おれだよ!」
笑いながら言うと、やっと「鈴木さん」の正体が分かったのです。
「ウギギギギー!」
ぎんじろうは絵に描いたホームドラマのように抗議するのでありました。
「驚かさないでよー!」
「おかえり」
かみさんも来ました。
私はこれ見よがしに髪型を見せます。すると、
「へ…!?」
(どないしたん!?)
と、キョトン顔です。
…
ま、二十年以上も一緒におりますと、「重箱リーゼント」ぐらいじゃ動じないようで・・・やはり「重箱三段重ねおせちリーゼント」クラスじゃないと。
あ…
でも、ぎんじろうが卒倒するからやめとこう…

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