「本日はお日柄もよろしく・・・」
というわけで始まったギズ・チャモ姉妹のお見合い、昨日、無事終了いたしました。
お相手は共に30才の若いご夫婦です。
お二人は以前、(白血病から回復した)チャーリーの里親にも応募してくれました。
残念ながらあのときはご縁がなかったのですが、さて、今回は・・・
ギズ・チャモは「ドアチャイム隠れ症候群」にかかっており、玄関のチャイムが鳴ると一目散にソファの下に隠れます。
とりわけギズモは敏感です。
せっかく遠いところから来てくださるのに、全く会えずじまいでは申し訳ありません。
私は事前に二匹をケージに入れておこうと、ご飯で釣りました。
チャモは、さすが「エビで鯛」ならぬ「エビせんでチャモ」の実績(?)があるだけに、いとも簡単に釣れましたが、ギズモは・・・
あの子は本当に頭の良い子です。
私の「不穏な態度」をすぐさま察知し、ソファの下に隠れ、一切出てこようとしません。
隣でチャモはカリポリ食っているのに、たいしたものです。
仕方ありません。自然体で臨むことにしました。
実は以前、チャモだけはご近所の方に見初められたことがあります。
その方の亡くなった猫にそっくりだったこともあり、お見合い後、しばらくして貰われていったのです。
チャモも新しい家へ行くなり、ご主人の膝の上に乗るなどすぐに慣れました。
しかし、大変だったのはギズモです。
突然ひとりきりになり心細かったのでしょう、ずっと泣きどおしでした。
頭が良いいだけじゃなく、本当にナイーブな子なのです。
幸い(?)(新しい家の)先住猫との相性が悪くて、チャモは出戻ってきました。
ギズモの喜びようったらありません。
以前にもまして、二匹はべっとりくっついています。
「もらわれていくなら姉妹一緒」
私は心に誓ったのでした。
「おいらのベッドだぜ・・・」 BYクロード
約束の三時、電話のベルが鳴りました。
二人が、事前に知らせておいた下の公園駐車場に着いたのです。
ドアチャイムを鳴らさなくて済むよう、かみさんが下まで迎えに行きました。
一体、どんなひとでしょう。
私はふうちゃんを連れてバルコニーから下を覗きました。
二人は急ぎ足で階段を登って来ます。
「おーい!」
ふうちゃんの手を振りながら私は声をかけました。
二人が見上げます。
ふうちゃんを見つけてにっこり笑いました。
「はじめまして。今日はよろしくお願いします!」
玄関に入るなり、ご主人がきちんと挨拶しました。
奥様もぺこりとお辞儀します。
ひと目で感じのいい人たちだと分かりました。
メールの文面を読んでも、安易な気持ちからではなく、ちゃんと取り組もうという姿勢が伝わってきていました。
聞けばご主人は神戸の方で、高校野球をやっていたそうです。どうりで、ごっつい身体をしています。
優しい体育会系、そんな感じです。
奥様は九州出身で育ちは大阪、きゃしゃでおっとりした方です。
大らかな学級委員、そんな感じです。
決まりだな・・・
私は直感しました。
あとはギズ・チャモがどう思うかです・・・
「まいったなぁ、今夜は焼け酒だっ!」
私はご主人に言いました。みんなゲラゲラ笑います。
私の心配をよそに、先ずチャモが、ほどなくギズモもソファの下から出てきました。
そして、なんということでしょう・・・
私が二ヶ月かかってようやくエビでチャモを釣ったのに、ご主人はたった一時間で膝にチャモを乗せたのです。
ヒザでチャモか・・・
私はショックで倒れそうでした。
(あほか・・・)
おまけにギズモまで奥様の操る猫じゃらしで遊んでいます。
夫婦の醸し出す優しい、おっとりオーラが姉妹を安心させたのでしょう。
二匹は揃って「キャットタワーがぶり寄り」、チャモは得意技;「必殺カーテンレール・ウォーキング」、さらには「後ずさりウォーキング」まで披露し、大いにアピールしています。
予想外の展開です。
あのシャイなギズ・チャモが・・・!
「いかがですか?」
私は笑みを抑えきれず、二人に聞きました。
二人もにっこりと微笑みます。
やりました。
縁談成立です!!
こないだ一回目のワクチンを姉妹には打ったので、二週間後の二回目まではうちで預かることにしました。
その間に、ご夫婦はキャットタワーやトイレなど受け入れ態勢を整えてくれるそうです。
3月8日、二匹は新しいうちへ旅立ちます。
ちょっぴり・・・だいぶ・・・かなりさびしいけど、二匹一緒にもらってくれるのです。心から祝ってあげましょう。
いい人でホントによかった・・・
「がんじろう基金」が取り持つ縁です。
お空の上から‘ふたり’が段取ってくれたのでしょう。
ありがとう、がんじろう、ムギョちゃん!
さあ、残りわずかな時間だけど、みんなで出発の準備しようね。
幸せになれよ、ギズ・チャモ!!
「みなさん、ありがとう!」 左からニモ、チャモ、ギズモ
おまけ;
「チャモと奥様劇場」
「ああ・・・」
「どんなひとだろう・・・」
「大丈夫かニャー!!??」
「大丈夫だ・・・」

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