「まだ何か?グリュンネ伯爵」
「クリミア戦争の状況について、シュバルツェンベルク公爵が」
これが宮廷における私と皇太后ゾフィー様のまっとうな会話である。
だが、あの日、11月7日ばかりは違っていた。
魔が差したとしか言いようがない。
「クリミア戦争のジョー・・・」まではまっとうな伯爵だった。
だが、次の一瞬、彼の脳細胞はロシア軍の攻撃を受けてしまったのだ。
時間にして0.005秒のことである。
この刹那に私の副交感神経は交感神経へと切り替わり、アドレナリンは一挙に数値を上げた。
記憶のDNAを呼び戻すべく、言語回路が選んだ言葉は「ホー」であった。
「クリミア戦争のジョー・ホーについてシュバルツェン・・・」
「情報」・・・!?
厳粛であるべき宮廷がまたしても揺れた。
現場にいた誰しもの脳裏にあの悪夢が蘇った。
「陛下、バートイシュル行きの馬車がお待ちいたしておりますが」
数年前のあの日、同じ帝劇、同じ場で、「馬車」の代わりに言語回路が選んだ『バス』事件を・・・
更にさかのぼれば、8年前の初演、
♪イギリスが黙って見過ごすはずはない・・・♪
この「見過ごす」がどうしても出てこず、
♪イギリスが黙って・・知らぬふりするはずない・・・♪
と歌ってしまった、恐るべき「超字あまり事件」・・・
「情報」、「バス」、「字あまり」・・・
三回とも私は袖に入った途端、皆にボコボコにされた。
「帝劇には魔物が住んでいるんだよ」
隣にいた藤森トオルに私は言った。
トオルは即座に答えた。
「住んどるんはあんたの頭じゃ!」
がんじろうは小康状態を続けている。
ところが、今度は最長老のムギョちゃんの状態がおかしい。
ごはんを食べてくれない。
ためおはためおで「グリーンマイル」のジョン・コフィンのように二匹の邪悪を吸い込み、ゲーゲー吐いている。
おまけに突然、ふうちゃんからギャルモモに至るまで全員が下痢し始め、そんなところに元気いっぱいのライナスが出戻ってきた。
かたやヘロヘロ、かたやぴょんぴょん跳ね回り、我が家はもうしっちゃかめっちゃか。
「事件」よ、
どうせ起きるんなら、ちょっとずつにしてくれんかなぁ・・・?
「遊んでよ!」 BYライナス
「ちょっと、待っててね」
知り合いでもご本人様でも、AHCCを使用した経験がおありの方、ぜひ「情報」をお寄せくださいませ。

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