ぎんちゃん、助かりました!
右前脚はマヒしたままですが、足を引きずりながらも元気に歩いています。
それに、とても穏やかな顔・・・!
この一か月、食欲もなく吐いてばかりいたぎんちゃん、病院で治療を受け、だいぶ良くなってきたのに、5日前の夜中、突然、嘔吐し、倒れました。
苦しそうに息をハーハーさせ、鳴き叫びます。
立ち上がろうとするのですが、右前足先は麻痺しているのか、ぐんにゃり手前に曲がり、思うようには進めません。
触ると、肉球はとても冷たい。
心筋梗塞・・・!?
血栓ができて血管が詰まり、末端まで血が流れていないのです。
こんな時間帯では病院は開いていません。
ムサシのことが頭に浮かびました。
夜中、突然苦しそうに鳴き叫び、そのまま私の手の中で逝ってしまったのです。
つい数日前も、近所の猫が救急治療病院に入院したばかりです。
ぎんちゃんも連れて行くべきか・・・
しかし、こんな状態で動かしていいのだろうか・・・
タクシーで一時間ぐらいはかかります。
連れて行けば、まず間違いなく入院です。
多分、私・・・他の猫だったら迷わなかったでしょう。
でも、ぎんちゃんは・・・
ぎんちゃんは保健所から引き取った子です。
ある日突然捨てられ、冷たい檻の中で殺処分されるのを待つばかりでした。
入院と言っても、ケージの中、もし、命が危ないとしたら、最後を、またあんな檻の中でいいのだろうか?
自分にはトラウマがあります。
ヒマラヤンのアミを病院で死なせたのです。
見舞いに行った帰り際、身体に繋がれた管を外さんばかりに泣き叫び、置いていかないでと訴えたアミ・・・
今も目に焼き付いています。
最後まであきらめず、治療を受けさせる。
それも一つの決断です。
でも、私にはそんな勇気はありませんでした。
「逝くのなら、家から逝かせる!」
私は決めたのです。
でも、ぎんちゃんったら・・・復活したんです。
明け方になると、呼吸が落ち着いてきました。
肉球も触ると、少し温かみを取り戻しているではありませんか。朝一で病院へ連れて行くと、先生が驚いていました。心筋梗塞の場合、麻痺するのは後脚で前脚はとても珍しいそうです。
エコーを取ると、確かに心臓は肥大しているのですが、とても安定しています。
相変わらず右脚は麻痺していますが、苦労しながらもしっかり歩きます。
何よりも、あの穏やかな顔・・・
良かった、生きててくれて・・・!
じゃあ、ぎんちゃん、おれ、博多に行ってくるよ。
お土産、アジでも、タイでも、明太子でも(あ、それはいいか)、何でも買ってきやっからな!
「ここんとこがまだしびれるにゃあ・・・」


16