見たこともないものを目の当たりにしたショック。
どんなものがあるだろう?
初めてマイケルのムーンウォークを見たとき。
初めて「ジュラシックパーク」のCG恐竜を見た時。
初めてカラーテレビが来て、サンダーバード二号が緑色だった時。
「目を見張る」って、まさにそんなときだ。
この数日、おじさんは目を見張りっぱなし。
「愛の唄を歌おう」の振り付け軍団airmanさんたちの振り、ダンス・・・
・・・すごい!
未知との遭遇、もう、世界が違う。
彼らはきっとエクストラ・テレストリアル:地球外生物、そう、ETに違いない。
マー君のツーシームが分かってても打てないように、いくら踊ってみせてくれても動けない。
いや、分析すらできんのじゃよ。
大体、用語からして違う。
おれら、「ブギ」とか「チャールストン」。
E.Tは「ロッキング」とか「クラブステップ」
・・・
おれと帰国子女ゆっこちゃんの会話。
「クラブ!?」
「カニさん」
「・・・あ、ロブスター・・・」
「それ、エビよ!」
話になんない。
栄治との会話。
「ぼくら、お腹引き上げ、ルルベ・アップの世界なのに・・・」
「あちら、ダウンで、わざとだらしなく踊りよる」
「ぼくら、キックしたら絶対ポイントなのに」
「向こはフレックス・・・」
一時が万事、違う。
けど、一時が万事・・・かっこいい!
airmanの先生方、凄い!
台本のト書きにある「激しいダンス」・・・
模範を見せてくらはった。
あのひとら、絶対ハーレムの黒人たちとバリバリ踊ってたソウルダンサーやろ思とったら、
「シェネ四回回って、グランジュッテ。いきまーす、ファイブ、スィックス、セブン、エイト!」
おおーっ!
回転の速いこと、軸のぶれないこと、グランジュッテの高さ、飛型の美しいこと!
じぇじぇじぇーっ!
バレエもやれるんかい!
グランジェジェジェーッ!!
うちの若い連中も結構踊れるんだけど、先生の前じゃ・・・
町田第二小学校の運動会にウサインボルトが来たみたい。
ラベルが違った。(レベルや・・・)
(橋本)じゅんちゃんとの会話。
「あんなんおれら踊ったら、肉離れなんてもんやないで…」
「にく、はなれっぱなしや…」
「骨に付いとかな・・・」
「ほんまや・・・」
上にはものすごい上がいた…
このナンバー、香板表には私の名前も。
ま、まさか…
案ずるが早く亜門さんが明るく元気に、
「治田さんは外したげてくださーい!」
オーディションって、落ちると悔しいもんだ。
が、このときほど選ばれなくて胸をなでおろしたことはなかった。
野村監督が言うてはった。
「努力に勝る天才は・・・」
・・・ありやな・・・
「違うとこでがんばるにゃあー!」


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