記者 「その作戦は実行されたのですか?」
老人 「実行された。仲間たちは名もない空母に乗り、ベーリング海峡
目指して出撃していった。」
記者 「・・・なんてこった」
昭和20年7月、日本海軍はイ−400を使った「ウルシー特攻作戦」と同時に、航空母艦による「ホワイトハウス爆撃作戦」を準備していた。絶望的な戦局を打開するための最後の手段として計画されたのだという。
この作戦のため、海軍は朝鮮半島で極秘に建造された信濃同型艦を呉に回航し、当時試験飛行を終えたばかりの増加試作型『秋水』を搭載した。
計画では、大和型四番艦はベーリング海峡を隠密裏に突破し、北極海を通過後グリーンランド沖を南下する予定であった。そこで情報を収集し、最終的な攻撃目標をワシントンに決定する方針であったらしい。
しかし出撃間もなく終戦、同艦は消息を絶った。
米国国立公文書館で発見された記録フィルムのメモ『7 Dec.1945 offing in Greenland』だけが同艦の運命を今に伝えている。
使用キットはタミヤ1/700信濃。
信濃は伝説のままでいい。しかし、戦った記憶が欲しいと思うこともある。

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