2010/4/21

お不動さんは帰って来ない 楞厳寺盗難仏画(重要文化財)  図書紹介

楞厳寺の日限地蔵尊大祭の取材にいくと参詣者受付で盗難にあいドイツで見つかった重要文化財の「不動明王三童子像」の返還を願って署名運動が行われていた。資料をいただいたので下記に要約を記載する。

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1998年(平成10年)8月12日(水)毎日新聞記事
ひと・社会・ニュースがわかる
深層 お不動さんは帰って来ない
盗難重文と韓国国宝の酷似問題
1995年に指定された韓国の国宝『大般若経』3巻が、長崎県・壱岐の寺から盗まれた日本の重要文化財と酷似している問題で、文化庁は外務省を通じ、同一物かどうかを確かめるための協力を韓国政府に要請している。盗難美術品が海外に流出した可能性があるとして、日本政府が他国に協力を求めることは極めて異例だが、実は類似のケースが過去に一度だけある。そのてん末を追った。(磯崎由美 写真も)

 過去にもあった 類似のケース
「入間の手で何ともならんのなら、お不動さんに「帰りたい」とでも言ってもらうしかないでしょうなあ」

京都府綾部市の高野山真言宗・楞厳寺。ヒグラシの鳴き声が染み入る庫裏で、為広哲堂住職(65)は、1枚の仏画の写真に目を落とした。
1911年から12年にかけて寺に保管されていた重要文化財(当時の国宝)の仏画「不動明王三童子像」が何者かに盗まれた。当時の住職は仏画を箱に納めて本尊のわきに置き、毎日拝んでいた。ある時、箱を開けると中身は空っぽ。盗難時期が絞り込めないこともあって捜査は難航、事件は迷宮入りとなった。

それから80年余りたった94年5月のある夜。為広住職は書庫の整理中、ドイツのケルン東洋美術館所蔵作品集を見ているうち、偶然開いたページの写真に目がくぎ付けになった。盗まれた仏画を複製した写真を本のわきに並べた。紙が折れて絵の具がはげた場所まで同じだった。

 住職からの通報を受け、文化庁は確認作業に乗り出した。ケルン市側に協力を求め、職員が現地で調査。仏画は盗品と同一だとわかった。だが記録をたどると、仏画を同美術館に寄贈したコレクターが京都の古美術店で購入したものだった。

 結局、@盗まれて80年以上もたっており、日本の法律に照らしても所有権はケルン市にあるA寄贈者は盗品と知らず購入した善意の第三者・・・などの理由から「返還は無理」との結論になった。ドイツの法律でもケルン市側が返す義務はない。

 それでも「相手の善意によって将来戻ってくる可能性はゼロではない」と重要文化財の指定は解除されていない。

 結局「不動明王三童子像」は二つの国の法律で保護されるいう奇妙な事態に陥った。中略

 昨年ケルン東洋美術館は日本で所蔵作品展を開いたが「不動明王三童子像」は出品されなかった。中略

 為広住職のもとに最近、現地在住の檀家を通じ、ケルン東洋美術館の館長から手紙が届いた。「仏画は現在オランダで補修中。今年中にはケルンに戻るので、ぜひ住職に見に来てほしい」と書かれていた。

 住職は「無事に立派な美術館に保管されていてよかった」と感謝する一方、「仏画は単なる美術品ではなく、多くの信者が心のよりどころとしてきたもの。いつか戻る日が来るかもしれない」とかすかな期待をつないでいる。

京都の仏画 独の美術館に
綾部・楞厳寺 80年前被害
「返還は無理」

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「仏画はケルンに預けてあるつもり」複製の絵を手に、文化財返還への思いを語る
為広哲堂住職=京都府綾部市の楞厳寺で




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