「限界を超えた大決戦!」
舞台。それは空間を支配し、幻想世界を生み出す土台。
そんな神聖である大きな1枚の板の上。
そこに世界を作り出す戦士達がいた…!
彼等は誰かになり、またその誰かは世界を、空気を創造する!
しかし、
その舞台の中でも数多の形式が存在する。
君は全て知っているかい?
いいや知るよしもない!
舞台は無限の世界を創造できるのだから!!
だがあえて言うなら
今回君達が目撃するのは「朗読劇」!
「朗読劇」
それは戦士がマイクと呼ばれる一本の聖剣の前に立ち、
聖剣と向かい合った戦士たちが己の動きを制限し、声のみを使い、そして己と極限を超え戦い…そして友と新たな世界を創造すること!
そう人は彼らを声闘士(せいんと)と呼ぶ!!!
彼等の一言は天を創り、彼等の吐息は世界を生み出す!
そんな極限の世界の中で君の瞳には何が映るだろうか…?
関西に拠点を構えるギルド吉田商店。
今回、各所のギルドに支援要請を出し、私の師である椎原師匠(せんせい)を迎え入れ、
また私自身もこの舞台に参加することとなった。
ギルド吉田商店の主戦力の一人、久保田師匠(せんせい)。彼もまた私の師の一人である。
つまり二人の師の元で戦える私は神の祝福を受けるに等しく、この朗読劇で散ることも厭わない。
その他にも様々な戦士が共に戦ってくれる。
観劇に来た君達ならどんな戦士達かわかるだろう。
もっとも、彼等は別世界の誰かになっている。それが見分けれれば、だがね。
とにかく私はすでに数回、戦闘訓練に参加している。
そうだな、11月19日の話をさせてくれ。
あの日、私はいつも通り鍛練の場へ足を運んだ。
続々と現れるギルドメンバー達。
聖剣は神聖なる舞台でしか存在し得ないのでかわりになにかを見立ててその日の鍛練は始まった。
特攻隊長でもある原さんが、無言で私のポケットに紙切れを入れてきたのは謎だが、少くとも彼の実力は本物だ。
私も負けぬようにと心で思ったのを覚えている。
この日初めて私の前に、師の二人が揃った。
声で空を斬るとはこのことか、と呆然とするしか私にできることはなかった。
身が震えたよ。
こんな戦い私に出来るのかわからない。
いやしなくてはならない。
そのためにも日々、鍛練を…
おっと、どうやら鍛練の時間だ。
私の話を長々と聞いてくれてありがとう。
また決戦の地で会えるのを楽しみにしている。
それじゃあ。

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