聞いてくれますか、おくさん!
身内の恥を晒すようでお恥ずかしい話なんですがね!
家族で結婚式に出席した帰り、スーツだったりヒールだったりでしんどかったので「タクシーで帰ろうか♪」と豪勢にもタクシーに乗ろうとしたんです。
タクシーはちょうど4台止まってて、どれも真っ白な車で、見慣れない一番かっこよさげなタクシーに乗りました。
運転手さんは若い女性で、お化粧もキッチリしてて、たいそうな美人さんでした。
襟元にこれまた真っ白なファーがついている真っ白な細身のコートを着て。
若い女性の運転手さんなんて珍しいな〜と思いながら、
気が付いたら、最寄りのJR駅前で、私と娘は降ろされて、そこから二人で自宅マンションまで15分、歩いて帰りました。
こりゃパパだけ先についてるね〜と話しながらマンション前まで帰ってくると、
ちょうど真っ白なタクシーがマンション前に到着したところで。
「え??なんで?絶対パパの方が早いはずやのに・・・?」
と車内を伺うと、
タクシーの運転席に座って運転しているのは旦那。
真っ白なファーの美人は助手席にいて、運転する旦那の胸に頭を乗っけて、うっとりと瞳を瞑っています。
二人ともなぜか思いっきり座席をリクライニングさせてて、めっちゃのけぞっている状態。
旦那の左手は美人の背中に回され、右手一本でキザったらしくハンドル操作する様子はまさにイケイケ。
いつの間にか装着しているサングラスとドヤ顔。
二人のその様子は、明らかに尋常じゃなく、どう見ても一線を越えた男女のオーラ。
スムーズにブレーキを踏み、颯爽とタクシーから降りてきた旦那。
母は一瞬にしてブチ切れ、にへらにへらしている旦那の胸ぐらをグイッとつかみ、
右手で全力ビンタ。
続いてビンタした同じ頬を右ひじで全力エルボー。
よろめく旦那に
「二度と帰ってくんな!」
と唾を吐き捨てピシャリと家の扉を閉めてやりました。
っていう夢をみたよ。
超ムカついた。
もっと殴ればよかった。
だって、あのおめーのドヤ顔ったらないよ。殺意わくよ。
と朝、食卓で旦那に報告したら、
「濡れ衣や・・・」と深いため息を吐いた旦那でした。
たぶん「二度と帰ってくんな!」は寝言として叫んでると思うね。
それからしばらく、旦那は車を運転するたびに、
「コレ?コレに殺意?」といって、サングラスでドヤ顔を披露してくれてました。

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