冷たい雨がそぼ降るなか、20日ぶりのジャズ喫茶だった。継続は力なりと云うが、継続しないとこうなる。世間に見放され本日は当ジャズ喫茶2度目の無観客試合となった。寂しい。絶滅危惧種とは云え、ジャズ喫茶はこうして滅びるのか。さて、本日はローランド・カークが1961年から4年間在籍したマーキュリーレーベルでの演奏を特集した。このマーキュリー・パーフェクト・コレクションは9枚のCDと1枚のシングルCDからなっている。
本日の1枚目であるが、いきなりパーカーのブルース・フォー・アリスというバップチューンから始まる。ここでは幾つかのリード楽器を吹くが何を吹いても全くのバップだ。写真にもあるように一度に複数の楽器をくわえて演奏するのでそればかり取り上げられたりフリーっぽい演奏もしたことからコルトレーンの影響を強く受けたサックス吹きと云われているが、カークはかなり正統派のバッパーなのだ。
続いてウィントン・ケリーとロイ・ヘインズが入ったカルテットとイギリス出身のタビー・ヘイズ(ts&vib)のリーダーアルバム。カルテットの方は私の好きなゲット・アウト・オブ・タウンから始まる。ここでもバップ魂がはじける演奏が楽しい。タビー・ヘイズのバンドはジェームス・ムーディが入った3テナーだ。タビー・ヘイズは38歳で亡くなったそうだが凄いテクニックのテナー吹きだ。ムーディーもテクニシャンだが、カークのテナーはユーモアとセンスでこの二人の上を行くという感じだ。改めてローランド・カークのサックス吹きとしての力量が判るレコーディングだ。
で、早くも本日最後の1枚となるが冷える夜は芋焼酎のお湯割りが美味いね。アンドリュー・ヒルpfが入ったカルテット、エディ・バッカスorgとのカルテット、ヴァージル・ジョーンズtp、チャールズ・グリーンリーtbとの3管バンド。ここでは最初のカルテットでのドミノもあるが、同じくラメントが心に残る演奏だ。
たった3枚で3時間が過ぎてしまった。次回はこの続きを是非ともやりたい。来週も貸切営業のため次回は11/2。東北の某ジャズ喫茶の映画を観に行くのも良いけど近所のジャズ喫茶に来てくれると嬉しいのだ。

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