昼間、店の掃除をしていると年配の男性が店に入ってきた。薄い色のサングラスをかけたその風貌は元ボクシング協会会長にどことなく似ていた。「良く車でこの前を通るのだけど、珈琲飲みながらレコード聴けるの?」夜来て貰えれば良かったのになあ。
で、記念すべき第10夜の1枚目は何にしようかとメド・フローリー(スーパーサックスのリーダーであり俳優でもある御方)のビッグバンドのアルバムを聴いてみた。録音が酷い。でももう少し聴いてみたい。やはりお客さんが来ない1枚目はこれだ。
開店してすぐに町内会費の集金を終えた店長が入ってきてレスターを聴きながらウーロン茶を飲んで暫くして出て行った。それから時間は過ぎゆく。日頃あまり聴かないレコードばかり選んでかける。週に1度くらいはこうやってじっくり聴くのもいいもんだ。
営業時間の半分が経過した定刻にご近所のご常連が来店。「ここへ来ると本当に聴いたことの無い音源ばかりで驚くね。」帰り際に新しいボトルを入れてくれた。商売繁盛! 来週もやります。
58年頃の録音。フローリーの曲・アレンジが中心。録音は悪いが才能溢れる人だったのだな。コンテ・カンドリのソロがいまいち冴えない。
ちょっとホーキンスっぽい所もあって面白い。
録音時期もメンバーも不明だが、怒涛のフライング・ホーム。
ブッカーの音が美しすぎる。ラファロの音が大きすぎる。
テイト、64歳の音が凄い。日本の婦女子に人気のセシル・マクビーのベースも凄い。
このフランク兄弟、私はウェスの方が好きなのだが、豪快さはフォスター。
ソプラノの音が美しい。陸軍戸山学校軍楽隊の出身。そして佐藤允彦と井野信義が凄すぎ!
西海岸のテナー。上手くて好きなタイプだがどこか小ぢんまりと纏まった感じがする。で、バックのレス・マッキャントリオだが、何故にLTD?
締めの1枚はこれ。名盤には必ず入っているチェンバースだが、これにはサム・ジョーンズも入っている。


1